☆ヒミコは一人ではない-2


 『魏志倭人伝』には不可解な数がよく出てきます。有名なのは朝鮮半島から邪馬台国へいたる道程で「水行十日、陸行一月」などを加えていくと。邪馬台国ははるか九州の南方海上になるということが、すでに江戸時代から言われています。次に邪馬台国の人口ですが7万戸と書かれています。当時は大家族で1戸に10人くらいは同居していたので、人口は100万にもなる。これは邪馬台国だけでなく倭国の総人口だという話もあるそうです。ちなみに奈良時代の人口は推定600万~700万人とか。また倭人は長命で、百歳か、八、九十歳の人が居るという記載もあります。
 これらどうみても変ですね。人間の記憶は数が一番あてにならない、数字は忘れやすい。これは現代の我々もよく体験することで、11桁の電話番号なんて覚えられるもんじゃない、歴史で年はゴロ合わせで覚えた、事件が起こった日なんかほとんど忘れている・・・etc。 かといってすべて無視しては話が続きません。何らかの根拠があるのでしょう。
 当時の倭人はどんな数え方をしていたのか?10進数で数えていたのでしょうか?暦はまだありませんから、1年の概念は今と違うかもしれません。歳を数えるのが1年に1回ではなく半年で1回では?少なくとも年末行事は6月末にも行われていた(晦日とはもともと三十日なんです)。年齢をすべて半分にすれば、妥当な数になります。ヒミコも平均寿命+αまで生きた。

 古代には100歳を超える天皇も珍しくなく、みんな長生きです、奈良時代以降は早死に。もっとも日本に限ったことではありませんがね。

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☆ ヒミコは一人ではない-1


 幻の女王ヒミコ、彼女は1000年以上も日本人を惹きつけ、また悩ましてきました。もちろん出典は『魏志倭人伝』、その本格的研究は江戸時代からですが、すでに『日本書紀』の成立前後、奈良時代から行われてきました。彼女がいた邪馬台国は北九州だ奈良盆地だというだけでなく、日本中いたるところにさらには海外までも多数の候補地があります。卑弥呼とは中国での当て字でこの字にこだわることはありません。わが国的には日巫女でしょうが、ここではヒミコと書きます。Americaにアメリカとか亜米利加とかいう字を当てるようなものですから。
 『魏志倭人伝』は文字数2000字、その解釈のネタはもう尽きたでしょう。そこで別サイドから考えてみます。それは数についてと当時の天体現象についてです。ヒミコはいつごろの人か?生年はわかりませんが、没年は247年か248年らしい、この年に魏から来た使者の記録です。また後漢の桓帝・霊帝の治世の間(146年~189年)に倭国は大いに乱れ、その結果、卑弥呼という一人の女子を共立して王としたという文章は魏志以外にも多数の中国の史書に書かれています。この期間の末期に即位としても在位は60年にもおよび80歳か90歳まで長生きしたことになってしまう。当時の平均寿命はせいぜい40歳くらいでしょうから、どうも変ですね。
 この疑問から出発して、かなり独善的ながら面白い結論が得られました。それを先日A先生に話したところ、なんと同じような考えでした。

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☆オリオン流星雨

オリオン

2009年10月21日 オリオン座流星群が極大

 今夜がピークのはずのオリオン流星雨。23時ごろ東の空にはオリオン座が昇ってきます。赤☆はベテルギウス、青☆はリゲル。オリオンの左にはふたご座、上がカストルで下がポルックス、その下の赤い明るい星は火星です。流星雨はオリオンとふたごの間から四方へ出るはず。月明かりの影響がまったくないという最高の条件ですが、問題は天気。昨夜から今日にかけて晴れすぎみたいですね。予報では1時間に数十個飛ぶとか言われていますが・・・サテサテ。8月のペルセウス座流星雨や11月のしし座流星雨に比べるとマイナーなので、オーバーな推奨はやめときましょう。たとえ流星雨は見られなくても、オリオン、ふたご、すばる、火星などを眺めてください。

 流星雨は彗星のなれの果てというか、亡骸というか。この度はハレー彗星がかつてまき散らかしたダスト(ここらはM先生の専門分野)が地球に降ってくるものです。毎年起こる現象だけど、今年は世界天文年のため話題になったのでしょうね。

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☆ 声聞くときぞ秋はかなしき

100-5


百人一首の5番目の歌です。奥山でなくても今年は鹿が多い。さっきもキーンキーンという鳴き声が聞こえました。なにやらもの悲しい。
比叡登山にはご注意を

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☆ カオスは無秩序に非ず

Lorenz

 カオスとはコスモスの逆でよく無秩序、混乱という意味に使われますが、決してそうではないのです。カオスには調和も規則性もあります。
 代表的なカオス図形であるローレンツアトラクターを描いてみました。非線形3元連立微分方程式を解く、というとそれだけにビビってお手上げとなりそうだが、実は非常に簡単なscilab プログラムでできることがわかりました。原図ではマウスでつまんで回転伸縮できます。方向によっては蝶々が羽を広げたように見えます。

微分方程式なんて怖くない!

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☆アキューム執筆 


 という季節になりました。今年は3編書くと言ってしまった、Y編集長のおだてに載せられて。今さら後には引けません。締切は今月末・・・う~。
まずその1はパオいニアスピリット元祖であるこの方について。

Galileo

元原稿に今までブログでも何回か紹介したものを加えて、デキター。
ブログ記事の再利用、お勧めです(オブジェクト指向でありエコでもある)。

やっぱ、ただものではないですね。70歳を越えて、自宅軟禁、出版禁止さらに失明という逆境にありながら,なおも口述筆記によって著書を書いて外国(オランダ)から出版したのですから。見習うべきは彼のパイオニアスピリットでしょう。

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☆朋あり遠方より来る、


 昨日、高校の同級生と○十年ぶりに会いました。彼は今、北九州に住んでいて、京都に所用があってきた合間にです。お互いに外観は変わっても中身は変わっていないことを確認できてよかった。彼は医学部を卒業し病院に勤めたいたが、今は週2の医師で、むしろ鉱物採集にこっている。医師から石へと言っていたが、よくよく自分のことを考えると「いし」を「ほし」に置き換えればにたようなものかな。
 
 先月の入学式の式辞で論語が引用されましたは、まさにその言葉通りでした。

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☆土星に巨大な環が発見された

新環

 宇宙は新天体新現象が発見される宝庫とシラバスに書いたけど、またまた新発見がありました。NASAの赤外線観測衛星によるもので、今朝の読売にも載っていました。
土星を取り巻く巨大な環を発見

土星からずいぶん離れたところで、暗くて赤外線でしか見えないそうです。環をもつことは珍しくなく、木星天王星海王星にはあります。ただし地球や火星にはないようで、大型惑星の特徴らしいです。

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☆天文WSにて


 今回は天文オンリーではなくグラフィックフリーソフトも使って実習してみました。素材は天体写真とflower集(これはChappyコレクションです、ありがとうございました)。ハイビスカスの花の中に月を挿入した合成画像とか菊と桜をブレンドしたアニメとか、鴨川に上空に超新星を輝かせるとか・・・。みなさん結構楽しんでいたようです。

もちろん世界天文年らしくガリレオさんのパイオニアスピリットも話しましたよ。 
また参加者の方が撮られた日食ビデオも紹介してもらいました。
次回2月は、すばるがよく見える季節、すばる☆さんの出番です。

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☆惑星X探査計画始動

惑星X


太陽系「惑星X」発見するぞ!探査計画始動(読売新聞) – Yahoo!ニュース
 物理学担当のM先生がパイオニア的大プロジェクトを始められています。太陽系の外縁部に新しい惑星を見つけようという壮大な計画です。M先生によると太陽系ができてから間もなく、外に飛ばされた惑星があるはず、大きさは地球なみ、ただし今はどこにあるかわからないとのこと。海外の研究者と一緒に木曽観測所(長野県)のシュミット望遠鏡と、米ハワイ州マウイ島に建造された新望遠鏡「PS1」を使っての観測。数年後が楽しみです。

 惑星Xとは160年前フランスの天文学者ルベリエが海王星の外に新惑星を予測した天体で、80年間の探索の末見つかったのが冥王星でした。しかし冥王星は惑星とは呼べないほど小さくて、3年前に惑星から外されました。そこで新たな惑星Xを探そうというのがこの計画です。
M先生が 21世紀のルベリエとなる日を期待しましょう。

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