人々は,女神の苦しみを取り除くため,何とかペルセポネを地上に返してもらうよう,大神ゼウスに訴えました。ゼウスもほっておくわけにはいかず,ハデスのところへ使者としてヘルメスを送ります。ペルセポネは地下にある死の国のお妃になっていました。返還交渉は難航しますが,ペルセポネは死の国のざくろを4粒食べたので,1年のうち4ケ月は地下の国で暮らすことという条件で,どうにか合意が成立しました。ペルセポネが地上に戻って来ると,デーメテルは喜んで洞穴から飛び出して来ます。すると大地は蘇り,草木はすくすくと育ち,鳥は伴侶を求めて歌います。春が来たのです。ところが8ケ月後にはペルセポネは地下の国へ行ってしまうので母神はまた洞穴に閉じこもってしまい,この世は冬になってしまうのです。