兄妹を背中に乗せたお羊は,王の館を脱出し東へ東へ飛んでいきます。ところが途中であまりの高さに目の眩んだヘレは,海の中にまっさかさまに落ちてしまい帰らぬ人となってしまいました。妹を捜すこともできないフリクソスはそのまま,飛び続けやがて黒海の東岸コルキス国に着きました。彼はコルキスの国王に暖かく迎えられ,その国で幸せに暮らしたということです。フリクソスはゼウスとコルキスの王への感謝のしるしとして,その金毛のお羊を捧げ,毛皮はコルキスの宝として眠らぬ龍が守ることになりました。この金色の毛皮については悲劇の後日談がありますが、長くなりすぎるので省略。詳しく知りたい方はここをクリック。
それにしても王アタマスや妃イーノーはそのままで,最も活躍したお羊はゼウスへの捧げ物にされたとは後味悪い話ですね。