火星にはフォボス、ダイモスという2つの月がありますが、19世紀末に発見される前にケプラーはその数を予言していたそうです。もちろん自分で観測したわけではなく、どんな根拠かわかりませんが、地球には1個、木星には4個(ガリレイが発見)なので、途中の火星には2個だろうと考えたらしい。このようにケプラーは数の神秘性にこだわっています。当時知られていた惑星数6個(水金地火木土)と正多面体の数6個というのに関係を求めたり、惑星の和音を考えたり・・・なんせ彼は科学者(400年前そんな言葉はない)ではなく占星術師と思われていたし、自分でもそう思っていたのではないか???ケプラーの法則は近代科学の先駆けですが、彼自身はまだ中世の影を色濃く残しています。
彼は聖書の記述からイエスの誕生日を計算したり、貴族・将軍のさらに自分のホロスコープを作ったり・・・占星術は生活費稼ぎのためではなく、本気だったらしいと言われています。