Scilabのすすめ1

scilab

 Scilabは数値計算用の便利なツールです。しかもフリー。コマンドまたは数行のスクリプト(というよりさらに小規模)を書くだけで、方程式の解、行列演算、数値積分、微分方程式、3Dグラフ描画などができます。しかし制御工学以外では知名度は低かったようで、聞いたことしかなかったが、この春から使ってみて気に入りました。図は連立方程式を解いているところです。A=[1,2;4,5];b=[3;-1];A\\b Enterで
x+2y=3
4x+5y=-1
の解がすぐに出てきます。筆算でやってみる気が起きるのは、未知数が2つの時だけですが、この方法だといくつでも同じこと。さらにこの後 spec(A) とするだけでAの固有値,固有ベクトルが求まります。いやぁ,昔,線形代数の勉強で苦労したし,授業を持ってからはもっと苦労した。それがたった1行でできてしまった。

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さらばサンクス

 百万遍のコンビニが明日閉店します。明らかに99ショップの被害者。このごろほとんど行かなくなった。残品半額セールスやるようですが、もう品数も少なくなっていました。
はかなきもの コンビニストア いとあはれなり

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世界天文年6

 数値計算には必ずケプラーの方程式の解法という例があります。x=e*sin(x)+M ここで eとMは定数でxを求めるというものですが、いわゆる解析的解(数学的厳密解)はなくて、数値的にしか解けない代表例です。これはケプラーが惑星運動を記述するため導いたものです。彼の時代からコンピュータがない20世紀中葉までは、何ページにもわたって手計算法が書いてありましたが、今日ではwhile文のいい演習問題で約10行のコードで計算できます。初期値を与えて繰り返し演算を行うのですが、うまくいけば数回、不運だと数十回の単純な計算を繰り返すことになります。それを各惑星について、かつ各日時について行うのですから、ケプラーはすごい計算力の持ち主だったのでしょうね。
 ケプラーの方程式

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世界天文年5

 1609年が世界天文年に指定されたのにはもうひとつわけがあることを昨日知りました。ケプラー(1571-1630)が惑星運動の法則を発表した年でもあるということです。それは著書『新天文学』に収められていて、今日、ケプラーの法則といわれるものです。その内容は高校の物理の教科書にも載っていますが、これを理解できる高校生はいるのかな?というようなものです。興味のある方はここをどうぞ。
 ケプラーはガリレイより7歳年下のドイツ(もっとも当時ドイツという国はないが)の数学者、天文学者ですが、生前は占星術師として有名でした。自からの観測よりはそれまでの膨大なデータを集計して、法則を導いたのです。その法則の真の意味は数十年後ニュートンによって数学的に解明されますが、非常に普遍的な法則です。データ集計→法則導出、ガリレイとは違った方法で、科学を確立したわけです。もっとも彼には中世人としての性格が残っていて、およそ科学者と言えない面もありますが、それは次項にて。

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IT機器嫌いな人

 ワープロではなくて原稿用紙にとか電子辞書ではなく英和・国語辞典をとかウィキペディアではなく権威ある信用できる事典をという先生が多いようです。自分の習慣を守るのは勝手だが、生徒学生にIT機器を使わせないのはとんでもないことです。われわれはIT機器の正しい使用法を教える立場にあります。翻訳ソフトはあてにならんと言われながらも数年前に比べるとずいぶん進歩しています。数年先にはどんな製品が出回っているか予測できませんね。これらの将来は大いに期待できるのです。かつて、電卓は数学教育に有害だといわれたこともありましたが、今日そんなこという人はいないでしょう。今、ケータイ使用が問題になっていますが、電源を切れというばかりでなく有効な活用法を考える時期ですね。
 ガリレイを攻撃したのは教会関係者ばかりではない。当時の権威あるセンセイたちは、ガリレイの地動説の不備を突いています。確かにそれは一理あるが、その不備はやがてケプラーやニュートンたち後続者によって補完されていったという歴史があります。

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廃藩置県とは大リストラ

 もうひとつ、車の中でラジオで聞いた話の受け売りです。明治初の廃藩置県とは全武士を解雇するという大リストラだった。江戸時代は内乱も外冦もなく、武士は軍人ではなく官吏でしたが、この何十万という公務員を一挙にクビにしたわけです。旧殿様や旧家老は保証されたかも、また新政府の元で軍人官僚になった者もいますが、全体からみればごく少数です。下級武士は収入を失い、転職を繰り返し・・・・。漱石の「坊ちゃん」の家庭もそんなところですね。長州藩でも例外ではありません。中央で出世したのはほんのわずか、わが母方のヒイヒイヒイ(?)爺さんも路頭に迷い不動産を失ったそうです。
 歴史教育では一部の成功面しか語りませんが、こういうマジョリティについても知っておくべきです。

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「専業主婦」は最近のこと

 昨日、車の中でラジオで聞いた話の受け売りですが、「専業主婦」が一般的になったのは最近のことらしいです。なんと1960年代、高度成長時代から。まさかそんな~と思いましたが、実はそれ以前の主婦の仕事は今でいう家事よりも田畑で働く肉体労働だったと。そういえば、子供のころオフクロは昼間畑仕事をしていた、野菜・果物は店で買わなかった。父親は会社に母親は畑にというパターンが一般的でした。1950年代までは、人口の大部分は地方に住んでいたのですから、これは全国的な傾向でしょう。
 高度成長時代でほとんどの家庭はサラリーマン家庭となり、専業はもちろん兼業農家も大幅に減りました。裁縫・炊事・洗濯・掃除などの電化製品が普及して専業主婦が定着したようですね。

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頭上に輝くのは火星

dec10

 今、頭上に輝くのは火星(図のマウスポインター)です。赤く不気味な光です。今月19日に地球に最接近(大接近ではないが)します。冬の夜空は賑やかで、見飽きない、でも寒くて家に入りました。今日、車の中で流れてきた曲の中に6個の天体がありました。すばる、銀河、ペガサス、ヴィーナス、ジュピター、シリウス。 さて何の曲?とよこさんのオハコでしたね。たしか。このうちヴィーナス(金星)はもう数時間しないと昇って来ていないし、ジュピター(木星)は太陽と同方向なので終夜見えません。 

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世界天文年4

 ガリレイの晩年は不遇です。1616年(52歳)のとき、地動説について一旦は無罪だったのに、1633年(69歳)のとき再びローマ法王庁で宗教裁判にかけられ有罪判決を受けるのです。その2年前に発行された『天文対話』という本が問題になって、高齢だから減刑ということで終身軟禁という刑でした。役職はすべて剥奪、著書は発禁、異端者だから葬儀も禁止。さらに数年後には彼に不幸が襲ってきます。それは失明、もはや望遠鏡をのぞくこともできません。それでも口述筆記によって『新科学対話』という本を著すという不屈の精神力、やっぱ並みの人ではないですね。この2冊とも岩波文庫にあるはず、昔読んだようだけどすっかり忘れた。
 ガリレイの偉業は科学の世界では、生前から評価されていましたが、法王庁がやっと裁判見直しを始めたのは20世紀末になってからです。1992年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、ガリレオ裁判が誤りであったことを認め、ガリレイに謝罪しました。ガリレイは実に死してなお350年間も抵抗勢力と戦い続けたのです。

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研修会無事終了

 本日午後EW31で京都府立高等学校情報教育研究会の研修会が開かれました。京都府の47公立高校の情報担当の先生が加入している教育研究会とかで、教科情報の教育のための研修会です。幹事校は南丹高校で、そこから3人の先生(ひとりは校長)がお見えになりました。最初の講演は京都教育大学の先生による「メディアリテラシー」。どちらかというと「メディアモラル」でしたが、例によってその時は自分の講演のコンテンツを作成中で、あまりマジメに聞いていません。次の講演はわれわれ3人(Yさん、すばる☆さん、castor)のリレーです。同期型eLearningの例として百万遍にいる学生にJavaGUIアプリを作る実習をEW31から指導するというもの。Yo君のプログラムは完成したことが確認できました。その後はSPPの実践報告で8/11に行ったマルチメディアぺージ作成法について実習してもらいました。来年はこれをもとにしたSPP研修会をやってみたいな。

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