蒼穹の昴(1) (講談社文庫)
題名につられて読みだしましたが、第4巻にはいってもすばるの話は出てきません。
時は中国清朝末期、貧しい少年・李春児は、占い師の予言を通じ、都に上り宦官となって多彩な才能が認められ西太后のお気に入りとなります。一方幼なじみの兄貴分・梁文秀はあの難関の科挙の試験にトップで合格し光緒帝の側近になります。120年前の中国は英(アヘンを押し付けた悪の元凶)仏露によって国土は分断され、そこに日米も加わって、瀕死の状態。それでも紫禁城の高官は贅沢三昧と権謀術策に明け暮れ、まだかつての康煕・乾隆時代が続いていると勘違いしています。この二人はそれぞれ相反する立場で国に将来を嘆き、また若き孫文、幼い毛沢東は焦っている、というシチュエイーションで、読み応えがあります。