つくられた卑弥呼―“女”の創出と国家 (ちくま新書)
久しぶりに面白い古代史の本を読みました。魏志倭人伝の記載は相当色が付いているそうです。それは中華思想ではなく、古代中国には女王女帝は全くいない、いやそれどころか女性の詩人や芸術家もいない、男性優位社会なのてす。多分儒教の影響でしょう。彼らからみれば「東海の女王国」とは興味津々です。
わが国ではトップにいった女性は少なくいない、女性の地位は言われるほど低くはなかった、男尊女卑が確立したのは多分江戸時代になってからですね。ところが、歴史学者はそれに気づかず「女王」を特殊なものとして見ている。日本書紀の中にも大和朝廷と戦って服従させられた女性の首長はたくさん出てくるそうです。
ヒミコはだれかということにこたえてはいないが、面白いアプローチです。