世界天文年6

 数値計算には必ずケプラーの方程式の解法という例があります。x=e*sin(x)+M ここで eとMは定数でxを求めるというものですが、いわゆる解析的解(数学的厳密解)はなくて、数値的にしか解けない代表例です。これはケプラーが惑星運動を記述するため導いたものです。彼の時代からコンピュータがない20世紀中葉までは、何ページにもわたって手計算法が書いてありましたが、今日ではwhile文のいい演習問題で約10行のコードで計算できます。初期値を与えて繰り返し演算を行うのですが、うまくいけば数回、不運だと数十回の単純な計算を繰り返すことになります。それを各惑星について、かつ各日時について行うのですから、ケプラーはすごい計算力の持ち主だったのでしょうね。
 ケプラーの方程式

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