地中海を西へ進み,やがてクレタ島にたどり着き,そこで牛は正体を現しました。それは神々の主神でオリンポス山の神殿に住んでいるはずのゼウスでした。実はゼウスは好色なことでも神々の中で随一で,正妻ヘラの目を盗んで,美女であれば娘であれ人妻であれ,逃さず自分のものにしてしまいます。エウロパはクレタ島でゼウスの何番目かの妻として暮らし,彼女の名Europaはヨーロッパの語源となり,すべてのヨーロッパ人の母となったということです。
ヨーロッパ文明の始まりはギリシアですが,ギリシア文明の源はクレタ島を中心とするエーゲ海文明です。フェニキア→クレタ→ギリシア,この物語はそのことをサジェストしているみたいですね。
なお,おうし座は上半身しか描かれていないのは,下半身は地中海の水面下にあるからです。それにしてもギリシアの神々はよく略奪事件を起こすもんで。。。