空海と天文

 Kukaiという名の小惑星があります。弘法大師空海(774ー835)にちなむ命名です。真言宗の開祖で、高野山・東寺を創建し,書の達人として嵯峨上皇のお友達,諸国を回って土木工事もするという平安初期の快僧(怪僧)ですね。とにかくすごい天才で,唐へ留学したが20年の留学期間を2年ですべて学び取り,多数の経文を持って帰国したそうです。彼が持ち帰ったものは真言密教だけではなく,星占いも空海によって持ち込まれたものです。「宿曜経」という占星書には曜日や12星座も記されています。藤原道長の日記には曜日が記されているし,光源氏が誕生した際に宿曜師にその運命を占わせる場面があるところをみるとかなり流行っていたようで,空海はわが国の星占いの祖といえるでしょう。
 西欧の占星術はこれよりずっと後で,当時は京都のような文化都市はありません。

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