ダイニックアストロパーク天究館1994より
を切りました。皆既地帯では空は真黒になり、太陽の周りにコロナが見え、地平線あたりは夕焼けになります。19世紀20世紀にかけて皆既日食の科学的な重要さはコロナ観測でした。その中に新元素が発見されコロニウムと名付けられましたが、実は高エネルギー状態の鉄でした。また別の未知の元素が発見され、ヘリウムと名付けられました。ヘリオスとはギリシア語で太陽のこと、すなわちヘリウムとは太陽素という意味になります。ところがヘリウムは地球にもわずかながら、存在していたのです。太陽にある物質と地球にある物質はすべて共通していることがわかりました。
コロナの温度は100万~200万度、太陽表面は5800度、どうしてコロナのほうが高温なのか今も詳しくはわかっていません。この研究の先駆者(パイオニア)は若き日の宮本正太郎先生です。今も高く評価されていますが、発表が戦争中、しかも日本語論文だったので、当時は読まれもしなかったそうです。この論文は宮本先生の最大の業績で、もし戦争中でなかったら、30代半ばで世界的な評価が得られたと思われます。
ときに太陽君はいかがかな