金・銀・銅の日本史 (岩波新書)
工学屋さんらしい技術中心の歴史の見方が実に面白いです。
これからの考古学研究者は理工学の基礎を系統的に身につけることが必修とすべきであることを語っています。
これまで人間が取り出した金の総量はたったのプール3杯分しかないそうで、そのうちのかなりは日本から。奈良の大仏、平泉金色堂、金閣寺もさることながら、戦国時代から江戸時代にかけて、多分日本は世界最大の黄金の国です(マルコポーロが書いたことは後で事実になった)。甲州、佐渡、石見、生野・・・を押えた秀吉、家康はものすごい大金持ちだったようです。
ところが、その金銀は今はなし、どこに消えたのでしょう。スペイン、ポルトガルとの南蛮貿易で大損したというより持っていかれたらしい。その貿易船を襲って略奪したのはイギリス、オランダの海軍(=海賊)ですが。幕府は慌てて鎖国した(鎖国はもっと評価さるべきと思う)、それでも長崎から流れた。
日本人がお人好しで、騙されやすいのは昔も今も・・・なんですかねぇ。