☆次回の日食

 54年後(2063年!)にはまた日本で見られるはず、と書きましたが、この時の皆既ゾーンは津軽海峡を挟んで青森北部、北海道南部らしいです。しかし京都でもやはり8割くらい欠けます。そんな遠い先のことではなく、もっと近未来にないのか、あります。2012年5月21日の金環食外縁は輝いているが中は真っ黒と誰かが言った、です。これは西日本各地で 京都でも7:30ころ見られます。わずか2分足らずですが。来年 1月15日にもありますが、日本では日没後。
 皆既日食はコロナやプロミネンスの物理状態・加熱機構の研究のため欠かせない天文現象でした。しかし人工衛星が地球の外から太陽を観測し常時コロナが見える現在、わずか2~3分のためにわざわざ遠路皆既日食観測に出かける必要はあるのでしょうか?専門家には怒られそうなこの質問に対してスバラシくも
そりゃあんた、皆既日食を見たことがないからや。いっぺん見たらやみつきになりまっせ。今度一緒に行きましょ。」  ・・・なるほど、しかしそう言ってくれた大阪のK氏はすでに故人。

comments

☆日食の周期

 日食の周期は 6585と約1/3日(約18年10日8時間)で、後世サロスの周期と呼ばれました。1サロスごとに太陽と地球と月が相対的にほぼ同じ位置に来るため、ある日食または月食から1サロス後にはほぼ同じ条件で起こります。ただし1/3日という端数のため地球上で1/3日の時差(経度にして120度)の地点で見られます。そして3サロス(54年1ケ月)後にはまた同じ地点で見られます。こんなことをバビロニアの占星術師はどうして知ったのか?星座の起こりもバビロニア、彼らの天文学はギリシアやインドに伝わっていきました。
 今回の日食より1サロス前の日食は1991年7月11日にハワイやメキシコで見られ、1サロス前の日食は2027年8月2日でアフリカ大陸北部などで見られます。3サロス後(2063年!)にはまた日本で見られるはず、でもその時はもう・・・。

だれか見てください。

comments

☆皆既日食まであと70日

 7月22日の皆既日食まで70日となりました。母なる恵みの太陽が白昼消えてしまう皆既日食は古代の人々にとって驚異であり脅威でした。わが国のアマテラス伝説をはじめ世界中にこのような伝説はたくさんあります。
古代オリエントにあったメディアとリディアは交戦中に不意に起こった日食を天の怒りと思い戦いをやめたそうです。これはまあいいが、古代中国の夏(実在は未確認だが紀元前20世紀ころ?)では日食予報をサボッた義氏と和氏という天文官がクビ罷免ではなく死刑になったとか。天文官たるもの、命がけで計算して予報を出さねばならず、星空を楽しむ余裕はなかったようですね。
 しかし日食の周期はギリシア時代前から知られていていました。それを発見したのは紀元前7~6世紀ころバビロニアの占星術師でした。

つづく

comments

☆これが ヒミコ

ヒミコ

 なんと宇宙の中にヒミコが見つかりました。

ビッグバンから約8億年後の初期宇宙に、巨大なガス状の天体が発見された。われわれの天の川銀河の円盤の半径に匹敵する大きさに広がっており、同じ時代の銀河の10倍以上の質量を持つ。この天体は、なぞに包まれた古代日本の女王卑弥呼にちなんで「ヒミコ」と名付けられた。

古代宇宙の巨大天体「ヒミコ」
ヒミコはくじら座の方向129億光年のかなたにおわします。そのベールを取ったのは日米英の大望遠鏡でした。ヒミコの正体は、銀河なのか、超大質量ブラックホールにより電離されたガス雲か、それとも・・まだ不明です。
 ヒミコは宇宙初期の天体としては大きすぎで多数の銀河の集合体かも知れません。ちょうど邪馬台国が連合国家だったのと同じように。

comments

☆全国同時七夕講演会

 花山天文台長に誘われて全国同時七夕講演会の実行委員(8人)になってしまいました。目標は全国100ケ所以上で講演会+αをやって1万人の天文ファンをつくろうというもの。ガリレオの夢をみんなの夢にという全国キャンペーンです。
KCGでどうやるかはこれから考えますが、興味のある方はご協力よろしくお願いします。

comments

☆「光年」は2011年で廃止

「光年」を2011年7月をもって全面的に廃止する。天文学的距離を表す単位としては新たにSTメートル(STm)が用いられる。というショッキングなニュースが流れました。1光年とは言うまでもなく光(秒速30万km)が1年間に進む距離で約10億キロメートル,それに対し1STメートル=1000兆メートル=1テラキロメートル。2年後には天文学も完全にメートル法に移行するのか、そんな話まったく聞いたことがないが。えらいことです、教科書から論文からすべて変換が必要だぁ。

実はこのサイトにの最後に書いてありますが April fool でした。
「光年」は2011年で廃止、テレビ画面に移行を促す表示も

comments

☆宇宙という言葉 

 天文ワークショップまであと1週間、話のネタを考え中・・・です。
宇宙とは古代からの中国の言葉で「淮南子天文訓」には
「宇」は天地四方上下(つまり上下前後左右、三次元空間全体)「宙」は往古来今(つまり過去・現在・未来、時間全体)を意味し、宇宙で時間と空間全体を意味すると書かれています(読んではいませんが)。宙ぶらりん宙返りは本来間違った言葉の使い方。
英語ではspace,cosmos,universe の3つあるが,space の意味は空間,空白であり,宇宙旅行、宇宙開発など地球のごく近くの場合に使われます。universe は最もよく使われるが元はラテン語で「一つにまとまったもの」という意味でキリスト教的な匂いがします。また cosmos は,ギリシャ語で「調和,秩序のある世界」の意味で,カオスの反対語です。現代物理学のいう時空には宇宙が最もふさわしいですね。

cosmetic 化粧品を使う Miss Universe なんて変?
コスモポリタンは宇宙人ではない
京都コンピュータ学院 | オープンキャンパス | ワークショップ | 世界天文年2009「天文好き集まれ!」〜コンピュータで宇宙を観る〜

comments

☆第2の地球が見つかった(?)

Planet

http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/science/astronomy/
 第2の地球(?)が発見されました。1995年以降、太陽系の他にも惑星が300個も見つかっていますが。このたび最小の系外惑星を発見されました。地球よりもやや大きく、岩石性の表面らしいです。
 しかし表面温度は摂氏1000度から1500度の間、暑くて水は蒸発し溶岩で覆われているでしょう。また親星に極めて近い軌道を周回しており、20時間で一周している、やっぱ生命はムリみたい。でもそのうち見つかるでしょう。詳しくは京都コンピュータ学院 | オープンキャンパス | ワークショップ | 世界天文年2009「天文好き集まれ!」〜コンピュータで宇宙を観る〜でお話しましょう。

comments

☆7月22日の皆既日食

日食

http://www.astroarts.jp/special/20090722solar_eclipse/image/local.gif
 今年最大の天文イベントで100年にいや200年に一度の大日食といわれています。画像をクリック拡大してみてください。トカラ列島、上海などでは皆既時間が6分も続きます。京都でも11時ころ8割も欠けます。水曜日ですが。
 アフリカで起こったときにはキリンが走り出し、南極で起こったときにはペンギンが大騒ぎだったとか。アマテラス隠れ神話のもとになった天象で、古代人もビックリです。平安時代、朝廷では皆既の間はみんな屋内で謹慎していたそうです。

しかし今やこれも商業ベース、ダイヤモンドリングを見ながらハネムーンという企画をしている旅行会社もあるとか

comments

☆ビーナス&ジュピター

 昨日も今日も西南の空に明るい星並んでいます。全天で最も明るい金星と、2番目に明るい木星です。こんな惑星の接近はそんなに珍しいことではなく、この前は今年の2月1日に起こりました。しかし、日の出前の東天、誰も見ていませんね。では次は?2010年11月15日の夕方起こりますが、日の入り直後に西の低い空なので、とても見づらい。
今回はダイアナさん(月)も加わった見事な星空をChappyさんのカメラが捕らえています。

comments