各種鮨種について-蛸(タコ)

蛸(タコ)
 タイと同様に,瀬戸内の明石の真蛸に限る。流れの速いところで吸盤も鍛え上げられているタコが一番。冬から春に美味くなる。味のあっさりした江戸前も人気があるが,筆者は明石から淡路のものが好きだ。このあたりのタコは,噛むほどに滋味やら出汁やらがジュバジュバ湧き出てくる,その度合いが他のものと比べて遥かに違う。
 日本では,マダコとミズダコとイイダコの3種類がよく知られている。国産でもミズダコは名前の通り水っぽくて美味くない。冷凍アフリカ産など,たこ焼にも入れないで欲しいと思うくらい,もっての他である。冷凍すると,繊維質と旨みが分離してしまう。
 イイダコは煮物。鮨ネタというよりは酒のつまみだが,頭の中に飯のような子がたくさん詰まっているものを煮て食べるとやみつきになる。マダコの子も煮物にしてつまみで出してくれるときがある。タコの子はすぐに腐るしあたることがあるので,生ではあまり食べないようにする。足の先に,イソギンチャクの毒が溜まっている個体があるので,生の足先は食べないこと。あたると点滴しながら3日入院という憂き目に会うことがあるそうだ。

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