各種鮨種について-海胆(ウニ)

海胆(ウニ)
 ウニは,礼文島,利尻島などの北海道の蝦夷バフンウニが世界で最も美味い。本州や九州のものは春から初夏で,北海道のものは初夏から晩秋までが旬なのだそうである。ウニは,種類と産地で様々に味わいが異なる。蝦夷バフンウニ,バフンウニ,北ムラサキウニ,関西の海岸でよく見るムラサキウニなど,いろいろあるが,全般的に南下するほどあっさりとした味になるようである。三陸のウニは北海道の同種に比べると淡白で,瀬戸内のウニはさらにあっさりしている。小浜湾のウニは優しく枯れた味わいがあって,北海道産とは全く異なる。ウニそれぞれに地元の良さがある。カリフォルニア南部のウニは,北海道産に全く引けを取らないほどたっぷりと濃い味なので,アメリカに行ったらぜひ試して欲しい。第一に,アメリカではウニは安い。しかし,築地では一口数千円することも珍しくない。
 生ウニはすぐに溶けてしまうので,保存のために明礬(ミョウバン)に漬ける。1週間も冷蔵庫で形が変わらないようなのは,明礬含有率が高い証拠だ。ロシア産,北朝鮮産は明礬が多すぎて舌がしびれる。きゅうりの薄切りを添える店が多いが,どう考えても合うとは思えないので,取り除いている。鮨屋では野菜が不足するので,きゅうりはウニの味を忘れた頃に別途醤油で食べるように。

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