各種鮨種について-車海老(クルマエビ)

車海老(クルマエビ)
 生きて流通しているのは養殖ものである。養殖技術が世界に普及して,世界中どこに行っても食べられるようになった。香港でも大連でもニューヨークでも食べることができる。天然ものと養殖ものの差異は,ほとんど分からないが,天然の方が生のときに黒っぽくいびつで,養殖ものは綺麗に形が整っている。夏でも冬でも美味いエビの王である。握り鮨にするのは小ぶりのものを使う。15cmくらいのをマキ,10cmくらいのをサイマキと呼ぶ。
 新鮮な生を茹でた直後のものは,赤く輝き美しい。踊りといって生で動いているのを握ったり,茹でて酢に漬けて握ったりする。踊りにしたら頭を塩焼きにしてもらおう。活きのいいのを丸ごと塩焼きにするのは鬼ガラ焼きと言う。頭の中の味噌も美味い。鮨屋で一匹を愛でながら味わうのも良いが,市場で活きているのをたくさん買ってきて,家で蒸して醤油やマヨネーズで豪快に食べるのも良い。
 頭を取ってあるエビで,胴体から白い身が噴出するように膨らんでいるのは冷凍ものである。新鮮なものは頭がついている筈だ。頭に黒い濁りのないものが新鮮なときに茹でた証拠。エビは死んでしばらくすると頭の中が黒くなって臭うようになり,身が緩んでしまう。

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