大西洋クロマグロ禁輸、EUが支持決定

大西洋クロマグロ禁輸、EUが支持決定

マグロを乱獲し,シーチキンみたいな臭みの充満する缶詰で大量消費してきて,マグロを美味く食べることの知恵も絞らず,絶滅に追い込んだのは,言うまでも無く,江戸時代の日本人ではないし,食道楽の大家でもグルメでもグルマンでもない。

原因は,「マグロは高級食材だ」,「美味いものだ」,と信じ込み,冷凍や冷蔵で屍になったまるで「藁と肉汁の不調和」を,喜んで「ご馳走だ」と思い込んだような「言説に侵された高度経済成長期の貧困な日本人」と,その尻馬に乗った世界他国の人々ではないのか?あるいは,「加工しやすい」というだけで,その味覚の本質を問うことなく,缶詰の大量生産と大量流通で儲けてきた御人たちではないのか?
・・・ということを声を大にして,言っておきたい。

鮪は江戸時代に下魚だった。鯛や平目が高級魚だった。江戸っ子が,その鮪をどうにかこうにか美味く食べようと考えた。赤身の醤油漬けの「ズケ」は,その日本的知恵の結果である。
そのような人々と,馬鹿馬鹿しい乱獲を続けてきた人々とは,明白に異なる一線がある。

マグロの大量捕獲や環境破壊,公害や健康被害の原因の,ほぼ大半を有するのは誰なのか?その分析が見受けられ無い。

[環境と食文化]参照

「言説に侵された人々」と,そうでない「クリエィティブな人々」の違いということだ。
マグロ禁輸を可決するのは良いが,その前に,そうしてしまった愚かさを反省すべきだと思うのだが?

その味覚の真意を検証せず,唯に手軽であるからという程度の理由で乱獲を続けるなり助長するなりして,技術を単なる海洋資源の浪費消費にのみ使って,利益を追求しながら,言説を流布した人々。

鯨と同様である。鯨をタダの油脂取りとして,大量に消費していたのも,海外諸国だ。

おかげで筆者は,ますます鮪が食えなくなるではないか!と,嘆くばかりである(泣

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大西洋クロマグロ禁輸、EUが支持決定
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100311-OYT1T00036.htm?from=top

 【ブリュッセル=尾関航也】欧州連合(EU)は10日、ブリュッセルで加盟国間の大使級協議を開き、大西洋クロマグロの国際取引禁止への支持を全会一致で決めた。

 これにより13日にカタールで開幕するワシントン条約の締約国会議で、大西洋クロマグロを「絶滅の恐れがある野生生物」に指定するべきだとするモナコ提案について、EU27か国がそろって賛同に回ることが確定した。

 外交筋によると、この日の協議では取引禁止に難色を示していた地中海の漁業国キプロスとマルタが反対を断念し、EU共通の立場が固まった。

 EUの執行機関・欧州委員会は、地中海産を含む大西洋クロマグロが、乱獲によって絶滅の危機に瀕しているとして、2011年春からの国際取引禁止を加盟国に提案していた。

 ワシントン条約の締約国は175か国で、3分の2が賛成すれば取引禁止案が採択される。米国も今月3日、禁止案支持を発表した。否決を目指す日本は、アジアや中南米、アフリカ諸国などに働きかけて巻き返しを図るが、きわめて厳しい状況に追い込まれた。

(2010年3月11日00時44分 読売新聞)

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春は あけぼの

春は あけぼの
やうやう白くなりゆく山ぎは 
少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる

ご存じ清少納言の枕草子の冒頭の行である。
京の都にいると,昔も今も,春が近づくと,この一節を思い出す。

今日は寒いれども,京都のスーパーマーケットには,ふきのとうやタラの芽,春の息吹を感じさせる山菜が並んでいた。

—ふきのとうやタラの芽を家庭で料理するときのコツ—
まずは一瞬湯がいて,アクを取る。
味付けには,日本酒,薄口醤油,だけ。あとは,せいぜい七味くらい。
京都の料理屋がよくしているように,鰹の出汁を入れるという手もあるが,入れるならば,純粋の鰹節だけにする。昆布出汁でも良いが,化学調味料は決して入れない。

ふきのとうの佃煮は,京都の鞍馬の辻井でも春の定番である。ほろ苦い中に新緑の匂いが満ちていて,筆者の好物のひとつである。これが出る頃になると,鞍馬まで買いに出かける。あまりデパートにまで行きわたってないという話を店主から聞いたことがある。

春の山菜ひとつとっても,京都に住むことの良さを感じる,今日この頃。

京都には古き良き日本の,四季のうつろひが現存していると思う。

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