日本の科学技術2

2)国友一貫斎 (1778-1840) の望遠鏡
次に近江長浜の鉄砲鍛冶屋さんの話です。父のきびしい教えを受け、17歳で父のあとをつぎます。一貫斎は、腕のよい鉄砲鍛冶として活躍しただけでなく、気砲(空気銃)や懐中筆(万年筆というか筆ペン)の開発や、鉄砲製作方法の公開しました。さらに天体望遠鏡を製作し、それを使って天体観測をしています。長崎から入ってきた反射望遠鏡を見て鏡の鋳造から始めたそうです。オランダ語はできなかったらしいが器用な人ですね。現在実物が彦根と信州上田に残っていて、今でも曇りなくちゃんと見えるそうです。ボクの知人にそれを自作復元した物好きな人がいます。それで太陽を見せてもらいました。
一貫斎は月のクレータ、太陽の黒点、土星の環などを観測して正確なスケッチを残しています。
一昨年その誇るべき滋賀県民の生家(博物館)へ行きましたが、残念ながら写真は撮っていません。その望遠鏡がなぜ信州にあるかというと、天保の大飢饉のとき愛用の望遠鏡を大名に売って国友村の村民を救ったと館員さん言っていました。

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