史上最も明るかった星

 史上最も明るかった星はなんでしょうか?ただし太陽と月はのぞきます。通常なら金星ですが、新星といってそれまで見えなかった星が突然明るくなることがあります。星の晩年のあがきですが、その上をいくのが超新星という現象です。人類の記録の残る最も明るかった超新星は1006年5月1日深夜、南の地平線近くに現れました。最も詳しい記載は中国(北宋)ですが、わが国にも陰陽師の記録があります。それを転記したのが藤原定家の日記「明月記」。ところで1006年といえばかの好奇心旺盛な清少納言や紫式部など才女が宮廷を賑わしていたころですが、彼女らの文章にはこの星について触れていません。「ほしはすばる」の清少納言さんなら見た見たと自慢しそうなのに、なぜ??
 この星が見えるのは深夜の1~2時間なので都人は寝ていて知らなかったのでは・・・この星の明るさは半月くらいで長い影ができるほどだったらしく、見たらきっと源氏物語の中にも加えていただろう・・・。
  これは昨日の天文教育研究会近畿支部集会でK先生の講演で聞いた話です。この先生何とか褒章を受賞された物理学者ですが結構歴史や文学がお好きなようです。

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