☆浦嶋物語-4

urshima

 今から1300年前わが国では多数の国家的出版事業が始まりました。
『古事記』『日本書紀』『万葉集』はそのまま残っていますが『風土記』はほとんど散逸しました。『丹後風土記』も原文は失われていますが、浦嶋の話は詳しく残っています。そしてこの話の前文に「筒川の嶼子は日下部首(くさかべのおびと)たちの先祖であり,この話は飛鳥の都の説話収集の役人が記したものと相違するものではない。」という意味の文が書かれています。ということは丹後の豪族日下部首が先祖自慢、郷土自慢のネタを都に持っていったのでしょう、丹後の古い伝承に尾ひれをつけて。
そのころ長年行方不明だった老人が帰ってきて、わけのわからんことを言いまくっていたのかもしれません。

 ところが、浦嶋の話は丹後だけでなく、横浜にも西讃岐にもあるそうです。上図をクリック拡大してみて3つのフラグからその源流をたどると奄美・沖縄あたりにいきそうです。海流に乗ってこれらの地へ漂着した海部族が伝えたのかも。その中で丹後の日下部首がいち早く都への売り込みに成功したのかも。

 童話から古代史、星ネタへ移りそして最後はちょっと物足りないフィクションでした。 おしまい

comments