☆月が遠ざかっていく


 現在、月は約38万kmの距離にいますが、年に3.8cmずつ地球から遠ざかっています。その原因は、潮の満ち干にあり、海水の動きは、海底との摩擦や地形などの条件によって、地球の自転にブレーキをかける働きをしています。このため、地球の自転速度は10万年に1秒の割合で遅くなっています。過去はもっと速く自転していました。古生代には1日は22時間、1年は約400日だったことが化石調査からわかっているそうです。ブレーキによって奪われたエネルギーは地球と同じ重心をまわる月の側へ移り、地球の自転が遅くなる分、逆に月の運動エネルギーに加わり結果として月が地球から離れていきます。とはいえ月は地球から永遠に離れ続けていくわけではなく、地球の自転周期と月の公転周期が一致すれば終わります。このとき月と地球の距離は現在の約1.5倍、したがって大きさは約2/3、皆既日食は起こらない。そして地球と月はいつも同じ面を向き合っているので、月はいつも天空上に浮かんでいて、出没は見られなくなります。

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