世界天文年4

 ガリレイの晩年は不遇です。1616年(52歳)のとき、地動説について一旦は無罪だったのに、1633年(69歳)のとき再びローマ法王庁で宗教裁判にかけられ有罪判決を受けるのです。その2年前に発行された『天文対話』という本が問題になって、高齢だから減刑ということで終身軟禁という刑でした。役職はすべて剥奪、著書は発禁、異端者だから葬儀も禁止。さらに数年後には彼に不幸が襲ってきます。それは失明、もはや望遠鏡をのぞくこともできません。それでも口述筆記によって『新科学対話』という本を著すという不屈の精神力、やっぱ並みの人ではないですね。この2冊とも岩波文庫にあるはず、昔読んだようだけどすっかり忘れた。
 ガリレイの偉業は科学の世界では、生前から評価されていましたが、法王庁がやっと裁判見直しを始めたのは20世紀末になってからです。1992年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、ガリレオ裁判が誤りであったことを認め、ガリレイに謝罪しました。ガリレイは実に死してなお350年間も抵抗勢力と戦い続けたのです。

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研修会無事終了

 本日午後EW31で京都府立高等学校情報教育研究会の研修会が開かれました。京都府の47公立高校の情報担当の先生が加入している教育研究会とかで、教科情報の教育のための研修会です。幹事校は南丹高校で、そこから3人の先生(ひとりは校長)がお見えになりました。最初の講演は京都教育大学の先生による「メディアリテラシー」。どちらかというと「メディアモラル」でしたが、例によってその時は自分の講演のコンテンツを作成中で、あまりマジメに聞いていません。次の講演はわれわれ3人(Yさん、すばる☆さん、castor)のリレーです。同期型eLearningの例として百万遍にいる学生にJavaGUIアプリを作る実習をEW31から指導するというもの。Yo君のプログラムは完成したことが確認できました。その後はSPPの実践報告で8/11に行ったマルチメディアぺージ作成法について実習してもらいました。来年はこれをもとにしたSPP研修会をやってみたいな。

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世界天文年3

Pisa

 ガリレオといえばこれです。ピサの斜塔(KCGIのある先生提供)の上から軽い球と重い球を落として地上に同時につくことを公開実験した(もっともこれは後世の作り話らしい)。それまでの思い込みを実験で打ち破ったのです。落体の実験はなんども行い「慣性の法則」を発見します。天体観測に限らず、実験して客観的なデータをとるという手法は彼が初めてです。なんでもかんでも過去の権威や神様に頼るのではなく、自らやってみること。これこそパイオニアスピリットですね。2003年KCG40周年のときパイオニアスピリットの持ち主としてコロンブス,アインシュタイン,ライト兄弟をあげました。いずれも新領域を切り拓いた偉人ですが,ガリレオこそそれにふさわしく,われわれの範とすべき師です。      以下事項

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明治5年12月3日

 わが国で太陽暦が採用されたのは明治6年(1873年)からとなっていますが、正確には旧暦の明治5年12月3日が新暦(現行暦)明治6年の1月1日に変わりました。したがって明治5年は2日のみで、この年には本日12月3日はなかったのです。
 暦を変更するために詔書(なんと朕惟フニで始まる)および太政官布告が出ています。しかし混乱を避けるため官暦(政府が正式に認めた暦)にも明治42年の暦まで旧暦の日付が参考として記されていたそうです。
 そこで今日はカレンダーの日というらしいが知名度はほとんどゼロ。一方奇術の日でもあるそうな。なんでかって?そりゃ 1,2,3だから。

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世界天文年2

 ガレリオさんのプロフィール。1564年- 1642年で,シェークスピアと同い年,加藤清正よりひとつ年下で、結構長生きしています。彼の業績は何といっても地動説のプロパガンタですが、その根拠には多数の天体現象の発見があります。月面のクレータ,金星の満ち欠け,太陽黒点,天の川は無数の星の集まり,そして最大の発見は木星の4衛星です。これらは自作の望遠鏡による観測結果で1610年に発表しますが望遠鏡を自作し観測を始めたのは前年の1609年・・・世界天文年はこの年から400年と決められました。彼がローマ法王庁から迫害を受けたのはずっと後で、この頃は問題にならなかったようです。当時は ピサ大学教授(数学・天文学担当)兼トスカーナ大公付哲学者(要するに大貴族のお抱え学者)という肩書です。
 彼はもともと医者になろうとしてピサ大学に入学したけど,方向転換して、ユークリッドやアルキメデスを学んだそうです。
            以下次項

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世界天文年1

 再来年はガリレオ・ガリレイが自作の天体望遠鏡で初めて天体観測をおこなった1609年からちょうど400年にあたります。人類が宇宙へ大きく近づいた記念すべき年として「世界天文年2009」とすることを、国際天文学連合が提案し、ユネスコも賛同しました。世界中で色々なイベントが企画されていますが、プレイベントはすでに始まっていて、来年からは盛りだくさんになります。本日、天文教育研究会世界天文年2009WGに加入しました。京都でできることはないか、これとKCG45周年を引っ掛けて来年は何かやろうと考え中・・・
 ガリレオさんはPioneerSpritの元祖みたいな人です。今ではアタリマエですが、実験・推論・法則という方法論を始めて、科学というジャンルを切り開いたのですから、しかも抵抗勢力と戦いながら。現在われわれがIT文明を享受できているのもカリレオさんのおかげです。

世界天文年2009

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師走,いやまだ神無月

 12月になりましたね。もう1ケ月でお正月、師走の風が吹くと言われますが、師走とは旧暦で使うことばです。今日は旧暦では10月22日、だからまだ神無月なのです。旧暦と現行暦をごっちゃにして使うことはよくありますが,気になってしかたない。師走になるのは来年の1月8日から、そのころが教師にとって最も走らねばならない時期ですね。

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試作品ができた

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 やっと試作品ができた。これって何でしょう?アニメ、海底、それとも??
実はある銀河の3Dプロットです。四国のある天文台で撮像された銀河のftsファイルを国立天文台で作られたフリーソフトであるマカリィで開き、テキストファイルに変換して、gnuplotで3Dプロットしたもの。マウスでつまんで回転させることができます。すべてタダですが、その代わり工夫は要ります。このソフトを探してインストール、テストするのに1週間かかった。まだx方向とy方向で解像度が違うので、改善していかねばなりませんが。

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南丹高校

 本日南丹高校へ行ってきました。のどかでいいとこです。列車は単線、降りた駅には切符回収のハコがあるだけ。駅から高校までバスはなく、タクシー走らず、歩くのみ。桂川の上流の川に架かっている橋の名は月読橋、そこには星座の絵が書いてあるのには感服しました。田園情緒あふれる道をテクテク20分。応対の先生も親切でした。
 ところで南丹高校は南丹市にあらず、亀岡市にあります。南丹市という市名は最近できたばかりで、命名は高校のほうが先。滋賀県でも高島高校は高島町ではなく、今津町にありました。過去形で書いたのは今は町村合併で両町とも高島市となったからです。

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史上最も明るかった星

 史上最も明るかった星はなんでしょうか?ただし太陽と月はのぞきます。通常なら金星ですが、新星といってそれまで見えなかった星が突然明るくなることがあります。星の晩年のあがきですが、その上をいくのが超新星という現象です。人類の記録の残る最も明るかった超新星は1006年5月1日深夜、南の地平線近くに現れました。最も詳しい記載は中国(北宋)ですが、わが国にも陰陽師の記録があります。それを転記したのが藤原定家の日記「明月記」。ところで1006年といえばかの好奇心旺盛な清少納言や紫式部など才女が宮廷を賑わしていたころですが、彼女らの文章にはこの星について触れていません。「ほしはすばる」の清少納言さんなら見た見たと自慢しそうなのに、なぜ??
 この星が見えるのは深夜の1~2時間なので都人は寝ていて知らなかったのでは・・・この星の明るさは半月くらいで長い影ができるほどだったらしく、見たらきっと源氏物語の中にも加えていただろう・・・。
  これは昨日の天文教育研究会近畿支部集会でK先生の講演で聞いた話です。この先生何とか褒章を受賞された物理学者ですが結構歴史や文学がお好きなようです。

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