バラバラになっていく48年式のカワサキZ2。これはフレームの芯出しと塗装を行って,再度組み立てる。
生産台数とそれぞれの車台番号,そしてエンジン番号との差異は謎が多い。手元の資料で調べたことを以下に記す。間違いがあれば,また,新しい事実をご存知なら,教えてください。
カワサキZ1は,フレーム100番くらいまでが,フレーム番号とエンジン番号が一致していて,その後,順次ずれていく。Z1/Z2は,フレーム番号とエンジン番号の相関によって価格が変わるほど,マニアックに拘る人が多い。しかし,フレーム番号よりエンジン番号が先であったり,後であったりというのは往々にしてあるようだ。筆者は,火の玉Z1でフレーム番号プラス240番で乗せ換えた形跡がないものを知っているし,また,Z2でも,フレーム番号よりエンジン番号のほうが前に来る(若い)ものも数台,見たことがある。これらが本当に乗せ換え無しなのかどうか定かではなかったが,複数台そういった例を見ると,差異の+/-100や200は,普通にあったのかもしれないと思われる。
Z1
1972-73 Z1F-000001~
Z1A タイガー Z1F-020001~
Z1B 玉虫 Z1F047500~ Z1E045000~
Z900A4 Z1F 085701~ Z1E 086001~
Z2
1973 Z2RS Z2F00026~
5月までのZ2E1086まで1枚 ガスケット
火の玉はZ2F 3687まで
Z2A Z2F 3688~ タイガー
Z2B 1975 Z2F10337~
[以上,Z1Z2File 出版社:スタジオ タック クリエイティブ]
Z2の生産台数と,Z750A4のトップ番号は謎である。一説には,Z2F-15999まではZ2になるという。初年度登録年は昭和51年でフレームナンバーはZ2F-159○○で,シート開閉はレバー式というものがあった。(実車は未確認。売主の説明による)少なくとも,一万5千9百番台までは生産されたと思われる。ただし,輸出仕様のバイクの国内番であるから,15999台とか,16000台などといった,キリの良い数字で生産が打ち切られたと見るよりは,輸出仕様が変更されたのに伴って,国内仕様も同時に変更され,形式も変更されたと推測すると,キリの良い数字ではなかったのではないかとの疑問が残る。
別冊MOTORCYCLIST 1990年2月号( №138八重洲出版 1990年)によると,
Z2(Z750RS)は車台番号Z2F-00026~で,3662台,Z2Aは車台番号はZ2から連番で,Z2とZ2Aの総生産台数は9711台(Z2Aのみならば6049台になる)との記載があるが,上述の159百番台とはあきらかに違う。また,筆者は,1万2千3百番台のZ2Aを確認しているので,本誌の記載は間違っている。 Z2でフレーム番号2番を見たという話も聞いたことがある。
また,Z2AからモデルチェンジをしたZ750A4は,同誌によると,Z2F-18403
~と記載されているが,筆者は車体番号Z2F-166○○番のZ750-A4を確認済みである。Z2AからZ750A4に続くのは連番ではないとの記載を複数の雑誌で読んだ記憶があるが,国内仕様は,輸出仕様の,いわばエンジンだけを変更した簡易な組み合わせであることも鑑みると,連番である可能性のほうが高いのではないだろうか。また,形式認定を得るときに,始まりをキリの良い数字にするのは想像できるが,終了番号をキリの良い数字にする理由は考えにくい。
カワサキZ1/Z2は,車台番号とエンジン番号にこだわり,乗せ換えていないオリジナルが尊重されるが,それが乗せ換えであるかどうかについて,実は確証を得る手段がほとんどない。エンジンマウントのボルトを解いてないかとか,配線などの取り回しで工場出荷時の特徴を見分ける程度しかない。
かくなる上は,所有している人たち皆で,番号を教えあい,出来るだけ多くの例を収集して,分析していきたいところである。そうすると,車台番号何番付近は,エンジン番号があちこちに飛んでいた,とか,ある程度の分散の度合いがわかるとか,色々と見えてくるものがあるだろう。
ご存知の方,教えてください。また,自分は車台番号何番でエンジン何番を持っているというような情報もお寄せくださると幸甚です。
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