カワサキZ2からFXまでの時代推移,そしてキャンディーズと山口百恵。

 カワサキZ2が発売された年から,空冷Zエンジン最終型のカワサキZ750FX-1(D-3)までの約8年間について,時代の移り変わりを表現する手立てを考えていた。それで,全く関係ないのだが,カワサキ空冷Zのナナハンの誕生から終焉までがほぼ一致していたので,当時の日本中の誰もが知っていた「山口百恵」と「キャンディーズ」のデビューから引退までを重ねてみた。矢沢永吉やクールスよりは一般的なので,わかりやすいだろうと思う。

 若い人達は,70年代当時に10代,20代だった人達に,その時代の推移を尋ねてみて欲しい。あの高度経済成長期の後半の頃,時代の転変がどれほど急速だったかを知れば,「70年代」というひとくくりでまとめることができるものではないことがわかると思う。そして,それは,いわゆる「丸Z」というカテゴライズと,それを総じてカワサキZ2と呼ぶことに無理があることを理解する手立てとなろう。カワサキZ2を受け入れた時代的背景は,カワサキZ750Fourの時代とは,まったく異なるのである。

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1972年4月
NHK「歌謡グランドショー」のマスコットガールとして「キャンディーズ」誕生

1972年12月
山口百恵がオーディション番組『スター誕生!』で優勝。いうまでもなく,カワサキZ1デビューの年,最初期型が生産された。

1973年1月
カワサキZ2プロトタイプ生産。同年4月 山口百恵が映画『としごろ』に出演。同年5月21日に同名の曲で歌手デビュー。森昌子・桜田淳子と共に「花の中三トリオ」と呼ばれた。

1973年4月よりカワサキZ2(750-RS)本格生産開始。火の玉カラー。

1973年4月7日
キャンディーズが,TBS「8時だョ!全員集合」のアシスタントとしてレギュラー出演になる

1973年9月1日
キャンディーズが,「あなたに夢中」でレコードデビュー。

1973年,カワサキZ2火の玉カラーの総生産台数 3662台。

1974年
山口百恵は,青春映画の名作『伊豆の踊子』に主演。この映画で共演した恋人役が三浦友和。

1974年-1975年
カワサキZ2A(750RS)の生産と販売。総数12000台程度と推測できる。

1976年
カワサキZ2はモデルチェンジしてカワサキZ750A4(Z750Four)となる。総生産台数は約3200台と推測できる。同年途中からZ750A5(Z750Four)となる。Z750A5は総生産台数 2817台。

1977~78年
KZ750 D1(カワサキZ750Four) 
(総生産台数 2189台)

1978年2月25日
キャンディーズがシングル「微笑がえし」リリース・初のオリコン1位を達成。

1978年4月4日
キャンディーズ,ファイナルカーニバル(後楽園球場/55000人)をもって解散

1978年はカワサキZ1Rが登場する。

1978年の第29回NHK紅白歌合戦で,山口百恵が紅組のトリを務めた。10代の歌手が紅白のトリとなったのも百恵が最初で,その後は例がないらしい。

1979年10月20日
山口百恵は大阪のコンサートで,三浦との恋人宣言を発表する。

1979年1月~8月
KZ750D2(カワサキZ750FX)総生産台数 2185台

1979年10月~1980年4月
KZ750D3(カワサキZ750FX) 総生産台数 850台

1980年10月5日,日本武道館で開催されたファイナルコンサートで,山口百恵は引退した。

昔,日本で流行った流行歌,今の言葉で言うと,J-Pop。その音の移り変わりは,時代変化の激しさの証明ではないかと思うのだ。

 一斉を風靡した流行歌手たちと,その時代それぞれに生産されたオートバイの変化の推移。時代の転変と,普遍を考えながら,その時代に生きた人達の感覚を知ってもらいたい。今よりももっと,流行の移り変わりが激しかったように思う。その中で,Z2は1973年にブレイクしたものであって,その後,3年という長きに渡って生産された。3年を経た後には,時代も変わり,カワサキZ750フォアがこそ,時代の主流だったのだ。オートバイはあの頃,いつも流行の先端のひとつであって,多くの若い人達の憧れだった。

 カワサキZ2が生産された3年間と,Z2に始まりFXまでのZ1ベースの空冷ナナハンが生産された8年間,遠くふり帰ると,あの頃という短い期間だが,その時代の真っ只中にいたら,長い。その時代を生きた人達に対して,数年間を十束ひとからげにして「70年代」と言い,すべての丸ZをZ2と言うのは,その時代への冒涜とは言えないだろうか?今,今年と昨年と来年の違いを,明確に意識している若い人達が,一年の長さを実感しているように,当時の人達にとっては,一年は,長かった。
 カワサキ空冷Zのナナハンが,順次モデルチェンジやマイナーチェンジをしながら生産された年限も,長かったのである。

空冷 カワサキ Z1,Z2,Z1000R,のカスタム@京都コンピュータ学院自動車制御学科
KCG レーシング
日本最初の自動車制御学科
京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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