ライムグリーン中毒とフルフェイスヘルメット

空冷 カワサキ Z1,Z2,Z1000R,水冷GPZ900Rニンジャのカスタム@京都コンピュータ学院自動車制御学科

kawasaki Z1100R

ライムグリーンは中毒になると言われる。慣れないうちは,アマガエルの色かと思ったり,なんとまあ派手な色,なんて思うのだが,これにハマると,身の回りの持ち物までライムグリーンにしてみたり,その色のジャケットを着てみたり,なにかしら身辺にこの色がないと落ち着かなくなる。

何故か。

これは,蛍光グリーンなので,妙に明るい。野山を走っていると,見上げれば青空,左右に新緑が広がる。そして,眼下にはライムグリーンと,そこらじゅうが綺麗な上に,自分が,足の間にこの明るい色を挟んでいるのである。
陽気になるのだ。そして,嘶く空冷エンジンでこの色を纏うと,そりゃあもう,陽気なことこの上なくなるのである。そう,気分が超~明るくなってしまうところに,実はライムグリーンの中毒性があるのである。

休日に遠出すると,多くのバイカーとすれ違う。最近多い,両手を万歳して両足をご開帳して,黒い革ジャンにジェットヘルを被って黒かミラーのサングラスをしている,あの集団の人たちと比べると違いが理解できるかもしれない。

あの人たちのバイクは,それはそれでかっこいいんだけど,黒か暗い銀色といった暗い色が多い。ライムグリーンや火の玉オレンジとは対照的である。服装も黒っぽいのが多い。その違いである。

そして,これはジェットヘルとフルフェイスヘルメットの違いに証明される。万歳ご開帳系のひとたちの中では,「フルフェイスはかっこ悪い」ということになっているようである。万歳ご開帳でライドするのだから,とても楽チンで楽しいようにも見えるのだが,テンポの遅い三拍子を強いられるからか,あるいはそのライディングポジションによってもたらされる操作性と運動性能の低さからか,やがて苦痛になり,どうしても仏頂面になってしまうのではないのだろうか。

それで,ジェットヘルでもいっこうにかまわないのであろう。実際,道路ですれ違うと,皆一様に,口をへの字に結んでいるのがわかる。ヘラヘラ笑いながら運転している人は見たことが無い。

他方,操作性の良いポジションで跨り,カワサキの空冷四発で集合管を鳴らしていると,おまけにライムグリーンを纏っていると,そして大空を見上げたり山や海を眺めたら,やたら陽気になって,エンジン回転数を上げて一人で爆笑してたり,コーナーに突っ込んで行っては,キャッホーッ!立ち上がりでかっ飛んでイェーイッ!と叫んでたり,する。運転しながら,えへらえへらと笑い続けている。たぶん,空冷カワサキ系は皆,そうだと思う(?)。

しかし,「○○さんはバイクに乗って一人で笑ってた」「○○町の交差点を左折しながら満面の笑みでキャッホーと叫んでた」なんて近所や職場で言われた日にゃあ,家族や同僚に迷惑がかかる。

そこで,カワサキ乗りは,隣近所や他組織から何を言われるかわからないから,フルフェイスのヘルメットを被ってなくてはならないのだ。カワサキ,とりわけ空冷Z系は,カンツォーネや演歌のコブシのようなエグゾーストノートで盛り上り,陽気に一人ではしゃいでしまうから,フルフェイスで顔やら口元あたりを隠さないといけないのさ。シールドももちろんスモークね。

フルフェイスヘルメットは,カワサキ乗りの世間体を守るために発明されたものなのであると思っている。

京都コンピュータ学院自動車制御学科


京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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