カワサキZ2の生産台数(更新情報)
いろいろと謎の多いZ2であるが,多少新情報を得たので,更新。
カワサキZ2ことZ750RSは,言うまでもなく世界に向けて販売されたカワサキZ1の国内向け750ccバイクである。
昭和48年(1973年)1月,国外向けZ1のボアダウン,ショートストロークのエンジンで,750ccのZ2の先行試作車(プロトタイプ)が20台ほど生産され,テストライダーや雑誌社に配られた。フレーム番号17番は「モーターサイクリスト」編集部,18番は「オートバイ」編集部が購入したという。
同時期の1972年型~1973年型のZ1がベースであるから,国内向けプロトタイプも,Z1に準じている。
48年(1973年)1月とは,Z1では4000番台から6000番台あたりを生産していた頃であるから,各部品は,その頃のものが使用されている。現存するZ2の10番台は,いわゆる初期型フロントフォーク(カマボコフォーク)が装着されている。
Z2のフレーム番号は,昭和48年(1973年)2月には200番台,3月には500番台に達したと思われるが,それらには,カマボコフォークは装着されていない。
つまり,1972年型のZ1が,1973年型に移行してフロントフォークが二次型になったのと並行して,Z2も同じ部品に移行していったわけである。
カワサキの発表では,フレーム番号26番からが市販されたということになっているが,それより若い番号が数台確認されている。
一説には,1番から20番までは試作車プロトタイプで,21番からが一般の市販ではないかとのことである。
また,10番台のうち数台は,全国の有力カワサキディーラーに配られ,展示された。そして,4月を過ぎてから登録され,一般に販売されたものもあった。したがって,フレーム番号10番台で4月登録の車体がいくつか残っているのだそうだ。
Z2の最初期 一枚ガスケットのモデルは,オイル漏れが多く発生し,国内の販売店に相当数のクレームが来ていたという。そして,今で言うメーカーリコールのような告知があったらしい。
メーカーはオイル漏れの原因を把握をする以前は,全てエンジン本体を販売店に送り返させて,販売店で,別のエンジンに乗せ替えていたのだそうだ。一枚ガスケット車は,初期に販売店でエンジンを乗せ換えたものが多い。
従って,フレーム番号よりエンジン番号が若いものも,逆も,かなりの数が混在する。その後,メーカーは対策を施し,ガスケットは2枚になった。
Z1・Z2はエンジンを乗せ換えると,フレームのダウンチューブ内側に傷がつくことが多い。初期の頃の全国の販売店には,傷をつけずに乗せ換える技術など普及していなかったことは容易に想像できるだろう。初期のころのZ2には,そのフレームに乗せ換えの傷が残っているものがあるという。
Z2は,Z1,Z1A,Z1Bの生産と並行して継続され,16500台ほどが生産された。それ以降は,Z900Super4と同様に,鍵式のシート開閉方式(レバーが無い)となり,Z750Fourとなる。
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