カスタムのポイントを思いつくまま列挙。
エンジン
空冷Zのエンジンは,オーソドックスな並列4気筒ツインカムエンジンである。チューンすると,凄まじい迫力と官能的な振動やサウンドを発するようになるが,ノーマルでもまったく悪くない。カスタムする場合は,最初から1000ccのモデルを選ぶと,ボーリング費用も廉くつく。バルブの当たり面を調整し,カムチェーンの弛みを取るだけで,他に比類ないエンジンを堪能できる。
キャブ
FCRが一番良いと思う。少々高価であるが,いたずらに大径を選らばず,小径で十分だ。1100ccを境に,それより小排気量なら33パイ,それより大排気量なら35パイで良い。
ショック
これは前後ともきちんとしたものにしたい。オリジナルなら,きちんとオーバーホールする。これもいたずらにハードなものにせず,しなやかに動く状態を維持する。
フロントフォークは38パイあたりがちょうど良いだろう。
ホイール
ノーマルの鉄リムは重いので,アルミリムに交換するか,キャスト・マグネシウムを奢る。当時物にこだわる気持ちは筆者にもあるが,走りのためのここ一番の勝負バイクは,現代のパーツを優先する。
ブレーキ
ノーマルのブレーキはプアなので,最低限度としてAPの2ポッドやブレンボの鋳物の2ポッドあたりに交換したい。リアも当然ディスクブレーキにしたい。ブレーキというのは,止まるためのものではなくて,最適のスピードに減速するための機能がある。指一本の力で微調整できることがポイントである。
マフラー
集合管に限る。ノーマル4本マフラーのクラッシックな音とその姿態は賞賛するが,実際に走るという段になると,ノーマルよりも軽い集合管を。空冷Zの集合管の響きは心にビンビン響いてくる。ヨシムラの手曲げ鉄管が有名だが,リプロもので充分だし,チタンを奢れば車体の振り回しがとても軽くなる。音質は,鉄のマフラーが最上である。
そこそこ費用はかかるけれども,四輪車(特に外車)の改造に比べると廉いものだろう。基本は,ノーマルでも良いから,きちんとオーバーホールすることである。
一台のZは,人生の良き相棒となる。無茶な改造は極力控えて,必要なところを良いものに交換して,大切に維持していきたいものだ。