高校時代,早朝まで起きていたとき,家族が寝ている家からバイクをそぉ~っと押して出して,黎明の空の下,家や学校から脱出した。
家から50m程離れて,エンジンに火を入れる。エギゾーストノートが町内に響くと,飛び乗ってアクセルを開けた。
帰宅するのは昼過ぎで,当然,その日は学校を休んだ。
KCGに進学したとき,学校の面白さが始めてわかった。そこは逃れる場所ではなくて,好きにする場所だった。しかし,働き出して,長じて今になって,やっぱり,その瞬間の喜びが忘れられずに,時たま同じように日常から脱出する。そんなことをするのは,一年に一度あるかないかなのだが,日常から逃れることこそが,自身の日常であるのではないかという疑念が,今も,残るからだ。
70年代当時のまま,心が,そこにあるような気がする時がある。
カワサキ Z750RS(Z2)