タイトルの「語られなかった想い」ですが、
「語られなくでも、分かってくれている」という意味合いなのか、
あるいは、「語ってくれないと分からない」かは、定かではありません。
行動派で「語ろうとする」アリシア・ファルディオと、
優柔不断で、なかなか腹を割らず、
「語ろうとしない」ウェルキンはある意味対称的ですね。
ラマールは口を出さないが、態度で示している。
ロージーとイサラはお互い想いをぶつけたものの、
想いを語るだけで解決できるようなことではなかった。
その一方、帝国軍側でも、セルベリアちゃんの秘めた想いがある。
交差するさまざまな想い…は、今回の「語られなかった想い」のメイン・テーマじゃないでしょうか?
しかし、戦場と戦場の間の戦士の休息…が非常に多いですね。「戦場」のヴァルキュリア・エヴォリューション。
今回もほのぼのではない日常の中で、時間が非常に緩やかに過ぎていきました。
義勇軍らは1勤3休制…かもしれません。
ところで、皆さんご存じでしょうか?
ゲームの戦場のヴァルキュリア2、今年2009年の冬、PSPに発売決定です!
詳しいことは下の記事を見てください~
現在確定済みの情報を、かなり詳しく書き留めたつもりです。
PSPお持ちの方、要チェックです!!
さて、「語られなかった想い」です。
戦場のヴァルキュリアの公式サイトのあらすじから:
http://www.valkyria-anime.com/oa/index.html
第十六章「語られなかった想い」
帝国軍指令部では、ファウゼンで戦死したグレゴールの敗戦を取り戻すべく、次の作戦準備を進めていた。庭園で語りあうマクシミリアンとセルベリア。彼女がマクシミリアンに抱く想いの一端が垣間見える。
一方、第7小隊は皆の気持ちがすれ違い、ギクシャクとした雰囲気になっていた。中でも、ウェルキンとアリシアのよそよそしい態度を見兼ねたラルゴは、ウェルキンを呼び出す。
そこでラルゴが語りだしたのは、不器用な男とその親友、そして二人の間にいた一人の女性についての、前の大戦の時の話だった…。
16話のあらすじ:
- 帝国軍の陣地、会議室の中、マクシミリアン殿下・セルベリアちゃん・イエーガーの3人がグレゴール戦死&ファウゼン陥落後の不利な状況について軍議。
- 重要な鉱山を失い、長期戦の継続が不可能になった今、派手な手を打つことを提案するイェーガーに対し、マクシミリアンは次の作戦は準備中で、時が来たら知らせるとの言葉を残し、セルベリアちゃんと共に退室。
- カール少尉、セルベリアちゃんとマクシミリアンの関係について疑問を持つ。ただならぬ関係と、イェーガーは答える。
- 城の庭園の、自分と同じ名前の「セルベリア」という青い薔薇を見て、セルベリアちゃんは過去のことを思い出す。
- 隠れて怯える幼女セルベリアちゃんに、マクシミリアンが救いの手を伸ばし、セルベリアちゃんに未来を与えた。それで、セルベリアちゃんは心の中に、深くマクシミリアンに慕うようになった。
- ガリア軍の陣地、ラルゴはイサラ⇔ロージー、アリシア⇔ウェルキンの間に流れている微妙な空気に困っていた。
- パンを焼きながら、アリシアはファルディオに告白されたことと、その後自ら逃げたことを思い出しながら、ぼうーっとしてたら、火事になりかけた。それに対し、マリーナは冷静に鎮火。
- 会議室の中、バーロッド中隊長が戦局を説明している中、ウェルキンはぼうーとしてた。会議後、中隊長に注意される。
- 会議が終わった後、ラルゴはウェルキンを誘って、軍の臨時大浴場(?)に行くことに。
- 浴槽の中、ラルゴはご機嫌に野菜のラブソング(?)を歌い、その後、自分の過去を語る。
- それは、昔々ラルゴとラルゴの親友と、思う人の話だった。ラルゴが告白しようとしたら、親友に先越しされ、それからラルゴは「愛か友か」を迷っていると、親友が死んだ。それから、ラルゴと思う人は特に進展がなく、時間だけが過ぎた。
- その思う人は、エレノア・バーロット大尉ということを思わずこぼしてしまうと、ラルゴは慌て、暴れ、口止めをした。
- マーケットまで外出しようとするイサラに、ラマールが「車で送ろう」と申し出ると、あっさり了承。「ラマールさん」とからかい半分でイサラが呼ぶと、ラマールは激しくテレた。
- 2人は楽しく、食材・ハンマー(?)や布のお買いものの後、喫茶店で一息ついたら、最後は丘の上で夕日を眺める。オーソドックスなデートコースでした。
- 買い出しの理由は、イサラが最近落ち込んでいるウェルキンを励ますため…とイサラが語る。ラマールは「お前のほうこそ、(ロージーのことで)落ち込んでいるでしょう」と返すと、イサラは前向きに返答した。
- 宿舎のベッドの上、アリシアはウネウネと困っている。「ファルディオはいい人、けれど」っと、ウェルキンのことを思い浮かぶ。
- 最終的に、「いつまでもウダウダしてるのは私らしくない、ハッキリさせなきゃ」ということで、ウェルキンの執務室まで移動し、「ちょっと話があるんだけど」とウェルキンを宿舎の外に呼び出す。
- 最近は変にギクシャクしている2人を、前のように普通におしゃべりするような関係に戻したいと、アリシアがお願いすると、ウェルキンはあっさりと了承。
- 「よかった、嫌われていると思った」とアリシアが言うと、「むしろ、ぼくはアリシアのこと…」っといろいろ間を置いた後、「大切な…大切な、仲間だと思っている」
- それを聞いて、微妙に顔の表情を隠すアリシアは、それでも明るく仲直りの握手のために手を差し伸べたら、ウェルキンは空気を読まずに、「これでファルディオも安心してくれる」と発言すると、アリシアはピクっ差し伸べた手を引く。
- (ここに、ゲーム版のテーマ・ソング、「どんなに遠くても…」が流れ始める。)
- 「どうしてここでファルディオの名前が出てくるの」、「これは私とウェルキンの問題でしょう」「私、ファルディオに告白されたの」「私、どうすればいいのか」「ウェルキンはどうすればいいかを聞いているの」と問い詰めると、ウェルキンは「それはアリシアとファルディオの問題」と逃げる一方。
- 逃げるウェルキンを見て、「本当にそう思っているの、あなたはそれでいいの」と聞くと、ウェルキンは黙って顔を背けるばかり。「良くわかった」と、アリシアは去ってゆく。
- ゲーム版の主題歌の「どんなに遠くても…」が流れる中、食堂でイライラしているロージー、廊下に交差するラルゴとバーロット、楽しげに夕食を用意しているイサラ、窓辺に月を見上げる嬉しそうなラマール、本を読みながら遺跡の石を握るファルディオ、夜空の下で建物の外壁にもたれている悲しげなアリシア、廊下に歩く暗い顔のウェルキンっと、シーンが流れる。
- 曲が終わり、ウェルキンが部屋に入ろうとしたら、豪勢な夕食を並べているイサラが「おかえりなさい」。「ただいま」。
今回のストーリーは、ほぼ100%オリジナルです。
一応、マクシミリアン殿下とセルベリアちゃんの馴れ初めの話や、
ラルゴとバーロットの昔話などは、ゲーム版にも少しだけ言及されていましたので、
この部分に限って言えば、ストーリーの補完と言えます。
ちなみに、ゲーム版の最後の「それぞれの未来」に相当する部分に、
ラルゴとバーロットは、非常に長い歳月の後、最終的に一緒になったそうです。
「ウェルキン⇔アリシア⇔ファルディオ」の三角関係ですが、
なんか決着付けそうもないですね。
16話まで来たので、残り後わずか8話。限られた時間の中に、
残された大量の「戦場」と、このなかなか決着がつかない「コイバナ」は、
どのように消化されていくのかしらね。
「ラルゴ⇔バーロット⇔ラルゴ親友」のソレとは、
形がかなり違っていますが。
主人公らの関係も、似たような方向に持っていこうとする製作者側の意図を感じます。
バーロットはアリシアのような落ち着きのない子じゃなかったし、
ラルゴは不器用ながら、ウェルキンと違って、頑張って自分の足で一歩一歩進んでいたからね。
しかし、正常の人間関係なら、
このような修羅場になってしまったら、ウェルキンの退場は避けられません。
違和感を感じさせずに、ウェルキンを主役の座に戻させるのは、
かなり無理目なドラマチックな展開が必要です。
初代「超時空要塞マクロス」で言えば、
ウェルキンとアリシアが2人きりで無人島に漂流する…くらいなきっかけが必要だし、
あだち充先生の「タッチ」で言えば、ファルディオはラルゴ親友同様、
さっさと死んでもらわなければなりません。
(*いずれも例が古くてスミマセン~)
もちろん、本当にそのままウェルキンを退場させる可能性もゼロではありませんが、
だかしかし、おそらく最も可能性が高いのは、ゲーム版通りの展開…かもしれません。
ゲーム版について、ここではネタばれしませんが、ヒントは、「2」発の弾丸です。
ただし、ゲーム通りの展開なら、ハッキリ言って、
現在のヘタレ状態のウェルキンだと、
1発目の弾丸によって、アリシアのお情けで慰めてもらい、
2発目の弾丸によって、憂国のファルディオの決断で元に戻してもらった…ような感じになります。
そうしたら、ウェルキンは成長して格好よく主役の座を掴んだ…ではなく、
いわゆる「主人公補正」で贔屓してもらった…ような形に成ってしまいます。
限りなく格好悪いんだよね…。
ほんま、どうなることやら…。
ところで、「どんなに遠くても…」はやっぱりいい歌でしたね。
ぉぅぇぃはこの曲のメロディの柔らかい感じが結構好きです。
しかし、曲の雰囲気的に、この曲が流されると、
なんだか「了」って感じに成っちいますね。
ここで「Fin」が出ても、そんなに違和感を感じさせません。
今回はこの曲を使うことで、ひとまず「静」けさを表現し、
次回からは「動」きだす…のような気がします。
予告を見る限り、次回の「精霊節の贈り物」は、久しぶりに戦場の話になります。
ナレーションのイサラが予告の最後に、ロージーに見せるニッコリした微笑みは、
次回の物語の展開を予告しているかもしれません。
おまけ:
*PSPお持ちの方、新作の戦場のヴァルキュリア2・ガリア王立士官学校のまとめもどうぞ!!
*アニメ戦場のヴァルキュリア(笑)一回目から二十六回目の感想はこちら:
- 第1章「戦火の出会い」
- 第2章「コナユキソウの祈り」
- 第3章「第7小隊誕生」
- 第4章「束の間の休日」
- 第5章「クローデン奇襲戦」
- 第6章「従軍記者、奮闘す!」
- 第7章「ダルクスの災厄」
- 第8章「紐解かれる歴史」
- 第9章「蒼き魔女」
- 第10章「吹雪の夜」
- 第11章「招かれざる客達」
- 第12章「さらわれた姫君」
- 第13章「戦慄の移動要塞」
- 第14章「ファウゼンの選択」
- 第15章「歌姫の過去」
- 第16章「語られなかった想い」
- 第17章「精霊節の贈り物」
- 第18章「八月の雨」
- 第19章「涙」
- 第20話「愛しき人」
- 第21話「はかなき絆」
- 第22話「とまどい」
- 第23話「愛のかたち」
- 第23話「愛のかたち」
- 第23話「愛のかたち」
- 第24話「決意」
- 第25話「護るべきもの」
- 第26話「決戦」
*戦場のヴァルキュリア・エボリューションとは完全に別物ですが、良かったら是非本家の戦場のヴァルキュリア(PS3ゲーム)のレビューも見てみてください!