冬で鍋ものが流行っている。パックで様々な鍋の出汁が売られていて,スーパーの棚を観ていると,よく売れているようだ。そして,ホームセンターや電化製品のチェーン店をのぞくと,IH調理器といかいう電磁波のコンロ,マイクロウェーブの卓上コンロも普及しているようだ。一体,どの程度普及しているのだろうか。
しかし,なんかおかしくないか?あんなものを食べていいのか?という話。オヤジのボヤキに過ぎないが・・・。
1.鍋スープのパック
パックで売られている鍋の出汁は興味があったので,ほとんど試食してみた。カレー鍋,豆乳鍋,北海鍋,塩ちゃんこ,味噌ちゃんこ,色々・・・。
まあ食べれたのは某メーカーのカレー鍋だけで,後はもういい,二度と買わない。
いずれも化学調味料の渦のようで,トマト鍋を筆頭に,砂糖が多かれ少なかれ混入されていて,舌にベタつく。
カレー鍋は,カレー粉の強烈さで化学調味料の味や混入物の味がごまかされるので,まあ良しとしたが,別に鍋のスープを買わなくても,レトルトのカレーを溶いたら同程度のものはできるだろう。それで満足できなかったら,化学調味料の出汁のもとをスプーンに半分ほど入れたら良い。
鍋料理は,言うまでも無く,なんでもかんでも一緒に炊くから,様々な味が混然一体となって旨みが出る。したがって,大鍋で大量に料理するのがコツと言えばコツである。一般家庭ではそういうことも不可能なので,小規模での料理とならざるを得ない。
しかし,だからといって,あのような化学調味料の渦を食べなくても良いと思う。普通に肉や魚や野菜を一緒に煮るだけで,美味いものになる筈だ。調味料は,醤油と塩とカツオ,鳥がらなどがあれば,そこそこのものができるだろう。
2.電磁波コンロ
電子レンジと同じで,まったく不味い料理になる。肉も魚も野菜もまともに煮えないし,具材とスープとの融合ができない。卵を入れてみると,変な固まり方をするので,よくわかる筈だ。
ひところ,パソコンが普及し始めた頃に,電磁波の人体への影響を懸念して,鉛を仕込んだエプロンなどが売れていたが,最近は携帯電話の普及もあって,誰も電磁波のことを言わなくなった。
そこで,卓上電磁波コンロを使うと,周囲へ電磁波がビンビン出ている筈なのだが,どうして誰も何も言わないのだろう。電磁波に敏感な人は卓上コンロを嫌う。実際に感じるからだそうだ。
人体への悪影響は別としても,あんな不味い鍋になるなら,喰わない方がマシだと思う。
卓上のガスボンベコンロと並べて,同じ鍋を作ってみたら,どれくらい違うかわかるだろう。さらには,炭火で炊く土鍋とくらべてみたらいい。鍋で炊く,という行為の本質が理解できよう。
電磁波を大量に浴びながら,不味いものを食べなくても良いと思う。
ここにも,言説と本質の違いがある。鍋は美味い,コンロは手軽で良い,市販の鍋出汁は手軽で美味い,等々,だんだんと本質から遠ざかっていることに気づかず,腹を満たすことで満足し,それが美味いものだったと誤解する。そこに,マグロの大量捕獲や環境破壊,公害や健康被害の原因の,ほぼ大半があるのではないか。[環境と食文化]参照
技術は使い方がわからないと,役に立たないどころか,人類全体を不幸にする。電磁波コンロが人体に悪いとはいえないのかもしれないが,味覚的に話にならないことくらいは言っても良いだろう。あれは,あまりにも,不味い。ただ単に,暖かいというだけである。
冷凍・冷蔵マグロは,確かに喰える。しかし,それは獲れたてで一定時間寝かした新鮮なマグロとは,まったく異なるものだ。冷凍のマグロは,「それはマグロである」という言説抜きには成立しない,形骸に過ぎない。
そして,言説に惑わされて味覚を失うと,環境が破壊され自身が不健康になるのは事実だと思う。
「美味いものを食べて満足する」,ということと,「腹を満たして満足する」,ということは,決定的に異なるのだが,人類の多くは,まだそのことに気づいていない。それが,地球資源を徒に浪費し,自身の健康を害する一番の原因である。
きちんと火で煮た肉や魚や野菜の美味さと,化学調味料に塗れた電磁波料理の違いを,自分で比較してみたら良い。簡単なことだ。食卓で二つならべて食べ比べれば良いだけである。
言説や形骸に惑わされず,ささやかな家庭での幸せと,一口のスープの温かさを,噛み締めることができることが,グルメの本道であると思う。
本当のグルメは,地球も自身をも救うものだと思う。
本質的に美味いものを食べて,幸せな人生を暮らしたいものだ。そうする姿勢を持つだけでも,地球環境の破壊にすこしでもストップをかけることができる筈だ。
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