ニュートンに次いで19世紀のアイルランドの数学者ハミルトンの話です。とにかくものすごい神童で10代前半で10ヶ国語を自由に操り(ラテン語ギリシア語はもちろんペルシア語まで)、ユークリッド、ニュートンの本を理解し、ラプラスの著書の誤りを見つけたという恐るべき小学生です。さらに詩作にもすぐれ、大学卒業前に天文台長への就任が決まるという天才でした。天文台長といっても観測もデータ解析も、助手に任せて、数学と詩に没頭します。
ところが天才にありがちなことですが、逆境に弱い。初恋がかなわず、心ならず別の人と結婚したが、妻は病床にあり、30年経っても初恋の人が忘れられない。また彼の四元数は難しすぎて、著書は評判が悪い。晩年はアルコール中毒の中での数学研究だったそうです。モーツァルトと似てる。
彼の理論は死後数十年経ってから評価され、20世紀の量子力学の発展に非常に役立ちました。さらに現在、3DCGや人工衛星の姿勢制御などに必要な理論となったのです。
ハミルトンもまた非常識なパイオニアだった。
☆変人ニュートン
☆非常識とパイオニアスピリット 再