☆空海の風景2


 空海は天才・努力家というだけでなく、実に自己アピールに長けています。登場のタイミングや前準備には脱帽します。
1)遣唐船は福州に漂着し、土地の役人は怪しんで取り合ってくれない。遣唐使藤原なんとかの提出した手紙はへたくそな中国語文章で意味不明らしく無視。一同困っている時、だれかが空海に執筆を依頼しました。彼の書いた文章に田舎役人はびっくりして、長安に報告しやがて、正式に遣唐使一行と待遇され都に向かう。文章作成力は重要です
2)唐で密教の第1人者は恵果という長老です。空海の目的からすると、すぐに訪ねればいいのに、実際に訪問したのは数カ月後、そのとき恵果は空海を大歓待します。空海は都の文人と詩文を交換しながら、自分の評判が恵果に届くのを待っていたようです。しかもその間にサンスクリット語を勉強していたそうです。これを知らないと密教の奥義は理解できない。彼は初めてインド・ヨーロッパ語を学んだ日本人です。
恵果は一目で空海の才能を評価し、自分の後継者と定め、翌日から猛修業。多数の先輩弟子をさしおいてすべてをマスターしたとか。恵果はすでに病身でまもなくなくなりますが、空海は弟子の代表者として弔文を書いています。

3)次回で

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