☆空海の風景4 

空海の風景〈下巻〉 (1975年)

  帰国後の空海は経文翻訳、密教完成、朝廷工作、最澄との対決等々で休みヒマなし。高野山に開山と言うことは何度も登っている(もちろん徒歩で)わけですね、相当な体力です。下巻の後半は最澄との確執に多くの頁が使われているが、正直言ってややダレる。期待したのは曜日、星占い、食べ物など密教以外に彼がもたらしたものについてでしたが、残念ながら書いてなかった。司馬遼さんが生きていたら、手紙を書いて尋ねるところですが・・・。
 空海は高野山で即身成仏、ミイラ化していると一般に言われていますが、実は火葬された、当時の記録もちゃんと残っているそうです。
 彼は真言密教をひとりで完成させた大天才で、彼と並ぶ弟子はいません。逆にライバルの最澄は優秀な弟子たちとの合作で天台仏教を創っていくし、しかも比叡山からは後世も法然親鸞など偉大な僧侶(庶民の仏教・・・いずれまた別項で)も出ています。教育者としては最澄の方を評価したい。

戦国物と違って読み切るのはしんどかった。

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