旧車はボルトがさび付いたり,固着していたりする。旧車のエンジンを分解していくと,プロでもボルトを捩じ切ってしまうことがある。特にアルミエンジンに鉄やステンレスのボルトなど,異なる金属同士を締めてあるものは,電位差が原因で錆びて固着していることが多い。
ボルトの捩じ切りを防ぐためには,潤滑剤をたっぷりと吹きかけて,長時間放置することである。決してあせってはいけない。
捩じ切ってしまったボルトには,小さな穴を開けて,逆ネジのボルトを入れたり,エキストラクターという特殊工具を入れて回すのだが,これが結構難しい。ボルトを折らないに越したことは無い。
Zのエンジンは,そもそもとても丈夫な過剰品質と言われるものなのだが,人為的なミスによって破損していることが多い。扱い方を熟知しておかないと,貴重な文化遺産を破壊することになるので,自信の無い向きは,触らないほうが良い。原付のエンジンなどで練習して,何本もボルトを折ってから,Zエンジンにかかるようにしたいものだ。どうか,この名作エンジンを一機でも多く,後世に残してください。
小物パーツはジップロックに入れて整理していく。