カワサキZ1の生産台数

Z1

kawasaki Z1

カワサキZ1,Z2の生産台数とフレーム番号,エンジン番号の謎については,いくつか質問が寄せられている。

Z1の初期型火の玉(ファイアボール)は17000台余り生産されたといわれているが,はっきりとは分からない。メーカーのカワサキもきちんとアナウンスしていないので,我々にはには分かるすべがない。筆者の友人が現認したのはカワサキZ1の初期型ではZ1F-16998が最大である。そういった旨を書いたら,「私のZ1は、Z1F-187** Z1E189** (+210)となっています。私のは今流行の偽物?」という質問があった。現時点での回答は,質問を寄せていただいた方には申し訳ないが,「わからない」,という他ない。

近年,適当な番号を打たれて輸入されているZ1も多いと聞く。その打刻が工場出荷時のものかどうかは,ノンレストアならば,ある程度までは鑑定はできるのだが,それがフルレストアされたものであれば,本当に工場出荷時の打刻なのかどうか,ほとんどわからないだろう。

その打刻番号が,その国の勝手な番号であり,そこで走っていたものならば,その番号での輸入ということになる。その現地国みおいては,単なる輸入車であり,登録するためには,好きな番号を打刻しておけば登録できるということもあっただろう。かつては,今ほど番号管理などされていなかったからだ。イギリスのように,フレームやエンジンをバラバラに購入して,自分で組み立てれば登録できた国も多くあっただろうと思う。日本でも,輸入車はすべて元の番号を消され,職権打刻しか登録できないときがあった。つまり,登録のための番号というものは,あくまでも当該国の制度によって変わりうるものなのである。

しかし,その打刻が工場出荷時のものでないとしても,フレームやエンジン,装着されているパーツの年式がある程度揃っていて,すでに登録できているならば,それがZ1であることに変わり無い。フレーム番号やエンジン番号は当該政府の管理番号であって,ある見方をすれば,その製品の個性を特定する重要なものでもあるのだけれど,それが無いからといって,「カワサキ製品ではない」ということではないからだ。

イギリスでは,フレームやエンジンを部品で購入して,自己責任で組立て,登録することができる。有名なロータスも,キットとして販売され,マニアが組み立てたものが登録されて立派な完成車として走っている。ところが,日本ではそういったことはできないことになっている。単なる法律の違いによって,本物か偽物かを定義できるものではないだろう。

例えば,メーカーから代替パーツとして販売されていた無番フレームに,世界中のあちこちに残存している未使用パーツを組みつけても,それはカワサキZ1であり,カワサキZ2なのである。そして,そうやって組立てたバイクで,政府認可を受けて公道を走ることは,国によって,それができるところもあれば,できないところもある,ということである。すでに政府の認可を得ている(登録できている)ならば,問題はクリアしていることになろう。

現行の陸自のシステムによって,国内では,いわゆる書類紛失車を再度登録するのが極めて難しい。また,輸入車でも,それがメーカーの車両であることを証明しないと,登録が難しい。たとえば,リックマンカワサキやビモータKB-1などは,カワサキZエンジンを搭載した名車だが,弱小メーカーであるために,輸入時での登録には手間がかかる。この文化遺産であるZを一台でも多く未来に残すためには,もうすこし登録システムをユーザーよりに規制緩和すべきだと思う。政府にも理解を求めたいところである。

新車販売は日本の経済力を構成する大きな部分である。大量に輸出して世界一の生産国であってほしい。しかし,だからといって,「新車を売るために旧車をどんどん廃棄処分にしろ」というのは,メーカーの傲慢と言えるだろうし,環境問題の観点から見ても,全面的に肯定できるものではない。現在すでに出来上がっている車両(旧車)に排気ガス浄化装置を装着して,それを使用することと,新車を大量に生産し,大量に中古車を廃棄処分にすることとを比較すると,前者のほうが圧倒的に消費エネルギーもCO2排出量も少ないだろう。

京都議定書が採決されてちょうど10年が経った。当時の目標値である排出二酸化炭素量の削減は実現できず,逆に増えているという。旧車を維持し,それに適切な対処を施して乗り続けることと,数年で新車に買い換え続けることと,どちらが地球環境にやさしいか,まずは実証データを収集すべきだと考えている。

空冷 カワサキ Z1,Z2,Z1000R,のカスタム@京都コンピュータ学院自動車制御学科
KCG レーシング
日本最初の自動車制御学科
京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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