Kawasaki Z1 1973

空冷 カワサキ Z1,Z2,Z1000R,水冷GPZ900Rニンジャのカスタム@京都コンピュータ学院自動車制御学科

Kawasaki Z1 1973

ホンダCB750に先行されて遅れを取ったが,その頑強なエンジンで世界を席巻した日本のオートバイ技術の結晶,カワサキZ1。写真は1973年モデル,初期型の後半の,ノンレストア,オリジナルの個体である。ワイヤーの取り回しや冷却フィンの仕上げなどに注目されたい。

68年にホンダCB750が発売された。当時としてはウインカーやミラーがメーカーデリバリーの段階から装着されていたのは「贅沢」だったという。そして,4本マフラーと750cc,すなわち「ナナハン」という,オートバイの頂点とそのアイコンはホンダが先行した。

同様に750ccで新規製品を開発していたカワサキは,先行されたホンダを凌駕すべく,900ccのエンジンを開発し,さらに流麗なデザインでZ1を登場させる。ホンダの四本マフラー,MVなどのツインカムエンジン,それぞれ見るとすでに先行例があり,技術的にはさして奇を衒うものもなく,メカニズム的にはむしろオーソドックスな手法のバイクではあった。そして,震動の出るフレームやプアなブレーキという欠点があったものの,過剰品質と後年言われるようになった丈夫なエンジンによって,カワサキ Z1は,世界一のオートバイとして君臨したのである。

Z1 エンジン

オートバイは全体の中でエンジンの占める割合が高い。エンジンがすべてと言って過言ではない。エンジンさえ良ければ,フレームの補強や足回りの補強などで,あとはなんとか対応できてしまう。したがって,それなりの改良を施せば,現代の道路事情で必要十分に高性能な乗り物になってしまう。

カワサキ空冷インラインフォアのエンジンは,丈夫でよくできているエンジンであり,かつ,独特の和音を発するところに,魅力がある。これを現代の技術で再現することは,大いなる目標だと思う。

近年のスポーツカーもオートバイでも,エンジンは滑らか過ぎて電気モーターのようで,各種機能は高度化され,運転が未熟な人でも,各種電子制御のおかげでとてつもないスピードで走ることが可能になっている。「速度が高いことが楽しさである」と,業界でもマーケットでも,誤解されているように思う。現行ポルシェやフェラーリ,アストンマーチン,ブガッティ,などは,すでに300kmカーである。カワサキもZX12Rあたりから300kmバイクを生産している。
法律上,世界中で違法行為とならずに300kmの世界に行けるのはドイツのアウトバーンくらいだが,いくら違法ではないといっても,コケたら即死のスピードである。

人間が制御できる法定速度内で,安全に楽しい車やバイクの必要性は,これからの話だが,カワサキ空冷Zには,今すでに,それがある。法定速度で十分楽しめることの大切さを再確認したい。

京都コンピュータ学院自動車制御学科


京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

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