カワサキ空冷Zの魅力のひとつは,エグゾーストノート,排気音である。特に,集合管を装着している場合,5千回転を超えるあたりから,音色が複雑な和音になり,感性に心地よく響いてくる。(好きな人にとっては)沸き起こり,盛り上がってくる,カンツォーネであり,交響曲のクライマックスであり,演歌のコブシでもあって,すべての音楽の美しい和音である。
ヤマハSR単気筒のトコトコ,よりも,二気筒トライアンフやカワサキW1・W3のバンバンバンバンよりも,ドカティ空冷のドンドン,よりも,ハーレーダビッドソンのダダダバリバリ,よりも,クゥォーン&フォーンー,のカワサキ空冷Zなのである。
この音色にとりつかれると,エンジンは空冷Zしかないと思うようになる。筆者は空冷Z+カーカー(KER KER)の音色が好きである。Z1000Rのノーマルに装着されているKER KERの咆哮は,山間に木霊するとき,これ以上のエギゾーストノートは無いと信じることができるくらい,魂に美しく響く。
昔は,ヨシムラの手曲げや機械曲げの鉄の集合管が,音色が良いので評価が高かった。近年は,多くのメーカーから,各種のマフラーやサイレンサーが発売されていて,様々な味付けができるようになっている。この,空冷Zの音色のチューンだけでも,いろいろとすることがある(いろいろ遊べる)。
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