カワサキ空冷Zの,マフラーと音,エグゾーストノート

 

チタンサイレンサー

 主に四輪自動車,スポーツカーのマフラーとしてANSAは評価が高かった。ANSAマフラーを設計する担当者は,装着して走っている音を,車内外で聞きながら,音色を調整していた。近年,フェラーリのマフラーとして評価の高いチュービは,「笛」として良くできていて,上手に音色をコントロールしている。チュービの付いた最近のフェラーリの音は,F1に似せているのがよくわかるだろう。水冷エンジン化されたポルシェ911も,エンジンの音と言うよりも,マフラーで造られた音が耳に付く。近年では排気音の作成に音響工学もフルに応用されているのだろう。
 しかし,現代の車のマフラーが狙った音色を出している性能の良い「笛」であったとしても,やはりフェラーリはキャブ時代に限るし,911は空冷に限ると思えてならない。つまり,その車両が持つ独特の音色は,やはりその車両独特のものであって,エンジンとマフラーとサイレンサーから総合的に出てくる和音であり,サイレンサー部分の「笛」だけの結果ではないのだ。この総合的な音色は,当時の技術の音とも言える。
 空冷カワサキZのあの音色も,いかに現代の技術を使っても,「笛」だけではできないと思う。あれは,あの時代特有の偶然の産物としての,総合的な和音である。音響工学がもっと進化すれば,もっと自在に音をコントロールできるようになって,もっと楽しくなるかもしれないけれど,今のところは,カワサキの空冷Zの集合管の発する和音にかなうものはないと想う。
 
<輪ん>

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