Kawasaki Z11000/KZ1100 A2

Z1100(A2)

カワサキ Z1100/KZ1100 A2

Z1100のマイナーチェンジモデル。フロントショックはエア加圧,リアショックはエアサスでイコライザーが付いている。

この手の「オヤジバイク」は,アメリカでも同様,オヤジが買うから,あまり距離の伸びていない信じられないほど程度の良いのが廉価で売りに出ることが多い。長年ガレージで眠っていたという綺麗なままのものである。

空冷カワサキというとZ1やZ2ばかりに目が行くが,実際に使用するには,後期モデルの方が色々改良されているのは当然である。空冷エンジン末期のころのスタンダードモデルは実は賢い選択だと思う。ゴム製品のパーツはきちんと保管すると10年くらいは持つ。過剰品質のカワサキ,80年代の空冷モデルは大事に扱うと長持ちする。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

comments

Kawasaki Z11000/KZ1100 A1

Z1100(A1)

カワサキ Z1100/KZ1100 A1
1089cc
100ps/8000rpm
9.8kg-m/6500rpm

Z1000LTDの後継でエンジンが同時期のスポーツモデルであるZ1100GPと同じ。
シャフトドライブと前輪19インチ後輪16インチが特徴のスタンダード機種である。デザインはZ1100GPに比すると柔和な線で構成されている。

メンテナンスフリーが謳われたシャフトドライブであるが,今となってはホイールの交換ができないので,タイヤの選択がほとんどない。これがカスタム派には問題点なのだが,ホイール交換をしないというならば,逆に悩むこともなく気楽に乗れるかもしれない。この手のカワサキ空冷は,アメリカの中古車市場でも廉価で,eベイなどのネットオークションで数百ドルで売買されている。Z1の輸入業者に依頼してコンテナに積んでもらって,廉価にカワサキ空冷をゲットするというのは如何かな。決して悪い選択ではないと思う。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

comments

Kawasaki Z1000 SPECTRE / KZ1000 D2

Z1100SP(D2)

カワサキZ1から続く空冷インラインフォア,J系エンジン搭載のスペクター。第二世代のD2になってカラーリングが黒と金になる。AMAスーパーバイクなどで勝ち続けたエンジンが搭載されている。

オートバイはエンジンの特性がその個性を決定する。たとえアメリカンであっても,空冷カワサキは他に比較するものがない。とりあえず家庭に一台,というのなら,こういったアメリカン系があると使い勝手が良いのではないかな。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

comments

Kawasaki Z1000 SPECTRE / KZ1000

Z1100SP

カワサキ Z1100スペクター

カワサキのアメリカンモデル,Z1000LTDのゴージャス版として1982年に発売されたスペクター。
シリンダーヘッドやクランクケース,フォークブーツが薄い金色に着色されている。
同時期のスポーツモデルに比するとタンクは小さくなり,シートが前後に長く大きくなっている。シャフトドライブで後輪は16インチ。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

comments

KawasakiKZ1000LTD

KZ1000LTD

KZ1000LTD
型式名;K1
1982年

エンジンとシャーシはJ系である。カワサキ空冷フラッグシップが,Z系からJ系に移行するとともに,アメリカンはスポークホイールがCSR,キャストホイールがLTD,そしてシャフトドライブがスペクターとなった。K1,K2と続いたが,83年で生産終了。以降,どのメーカーでもアメリカンはVツインが主流となっていった。

水冷GPZ900Rニンジャが発売されたとき,同じインラインフォアのエンジンを搭載したアメリカンモデルがエリミネーターであったが,それも短期間で終了してしまった。

ハーレーは,アメリカのあの直線ばかりの道を走るのには適している。ほぼ直線しかない(ワインディングがほとんどない)国において,ひたすら走り続けるためには,ハーレーのようなディメンジョンが適している。エンジンもゆったりと回るのが良いのだろう。そのハーレーに倣って,すべてのメーカーがVツイン化していったのは,アメリカというマーケットあってのことである。

日本国内ではインラインフォアに勝るエンジンはないと思うのだが・・。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

comments

Kawasaki  KZ1000CSR

KZ1000CSR

KZ1000CSR
型式名;M1

アメリカマーケット向けの製品である。基本はZ1000Jであるから,フレームもほとんど同じである。フロントフォークを少し長くし,シート形状を変えて,後輪を小径にすると,ここまでイメージが変わる。
70年代後半に新しいカテゴリーとして「アメリカン」が流行したが,ハーレーの影響が強く,どのメーカーも,アメリカンはVツインへと移行していった。その意味では,最後の空冷インラインフォアのアメリカンであるから,貴重なモデルである。
同時期のカワサキの製品にVN750というアメリカンがあるが,この頃のカワサキのアメリカンは,ライディングポジションこそアメリカンであるが,峠では下手なスポーツを追い越すというくらい,車体ディメンジョンが優れていた。もちろん,このCSRも,基本設計が「J」であるから,名車Rと同じく,良いバイクの一台と言えるだろう。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

comments

Kawasaki GPz1100

GPZ1100(A1)

カワサキGPz1100(A1,A2,A3)
発売年;1983年
型式名;ZX1100A 
120ps/8750rpm
10.2kg-m/8000rpm

カワサキZ1の末裔,空冷フラッグシップ最後の製品である,GPz1100。空冷カワサキ最強のエンジンと言われる。

Z1に派生する空冷エンジンを大幅に改良したJ系エンジンの最後のバージョンである。インジェクションモデルである。

最強のカワサキ空冷エンジンと呼ばれる所以は,排気量が1100ccとなり,シリンダーヘッドの燃焼室形状は半球型となった。このエンジンはきちんとチューンすると,ワンランク上の空冷カワサキが出来上がる。それまでのZ1やZ1000,Z1000J,R,などのチューンドエンジンとは異なる次元になる。

空冷の時代の終焉において,カワサキが方向性を模索していた時期であるとも言われる。また,車体が日本人には大きすぎるようで,「大きくて重い」と酷評されたりする。
身長が175程度以上あれば,忍者GPZ900Rとさほど変わらないような印象を持つとは思われるが,いかんせん,シャーシの設計にはまだまだ時間が必要だったのだろう。この直後には水冷の名車,ニンジャGPZ900Rが発売されたが,ニンジャが前輪16インチ,後輪18インチになったのに対して,GPz1100は,前輪18インチ,後輪17インチである。そのように,ホイールのサイズやシャーシにおいても,暗中模索の時代の中にあったと思われる。

いくつかの理由で車体にはあまり人気がなく,最強のカワサキ空冷エンジンを従来のZ系やJ系に転用するために,エンジンだけが抜き取られることが多かった。車体全体では残存率は少ないと思われる。

パワフルなエンジンであるだけに,経年劣化している個体が多いのは否めない。また,クランクの位相がずれてしまっているものも多い。クランクの位相調整まで含めて,きちんとオーバーホールすると,たいしたエンジンであることがわかるだろう。

昔のインジェクションであるから,レストアして乗るにはキャブに変更することが多い。最近はバイク用のインジェクションシステムも多種出ているから,最新のものに換装すると良いかもしれない。空冷カワサキ最強のエンジンと呼ばれるように,至上最高のエンジンである。

ローソンレプリカの末裔,Z1100Rも同じエンジンを搭載しており,こちらはキャブ仕様である。

上の写真はシリーズの最初のグループであるA1。以降,A2(下の写真),A3と続く。A3は特に生産台数が少ない。

GPZ1100(A2)

カワサキGPz1100(A2)

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

comments

カワサキ750ターボ Kawasaki GPZ 750 turbo

空冷 カワサキ Z1,Z2,Z1000R,水冷GPZ900Rニンジャのカスタム@京都コンピュータ学院自動車制御学科

kawasaki 750 turbo

Kawasaki GPZ 750 Turbo
カワサキGPZ750ターボである。オリジナルは前後18インチだが,足回りはGPZ900Rのものに交換してあり,サイレンサーもアルミに交換してある。アンダーカバーも取り外してある。リアフェンダーが長いのはヨーロッパ向けのバージョン。エンジン前にあるアルミ鋳物のカウル(サイドカウルの下からシリンダーの前に回り込んでいるカウル)は,クラッシュしたときにフロントフォークが折れ曲がって,ホイールがターボのタービンにダメージを与えないように,という保護のためにあるガードでもある。クラッシュしてフロントフォークが折れ曲がっても,タービンを保護しておいて,フォークを換装してまた乗るというのか・・・。
このガードのことをターボの牙というらしい。

80年代初頭,日本の4大メーカーから相次いでターボエンジンの大型車が発売された。他メーカーに遅れをとって最後にデビューしたのがカワサキで,他のメーカーを遥かに引き離す高性能なターボバイクであった。

kawasaki750ターボ
750ターボ カワサキ

サイドカバーには誇らしげに「ターボ」と書かれており,テールカウルには,一本サスであることを意味する「ユニトラック」の表示がある。その後,オートバイにターボはそぐわないという理由から,どのメーカーもターボエンジンの搭載をやめてしまったが,四大メーカーが相次いでターボモデルを発売したのは,歴史に輝く一ページであったことに疑いは無い。そして,その中で一等秀でて,真のターボチャージドたる加速と最高速を搾り出したのはカワサキであった。ターボがかかると急激に加速して,異次元にワープするのである。

エンジンはZ650から後にゼファー750となるザッパーエンジンでありながら,兄貴分のGPZ1100Fを凌ぐほどのパワーを搾り出した。ROMチューンを施してフルブーストをかけると,軽く空冷J系エンジンを上回るパワーを出す。
惜しむらくはザッパーエンジンであるゆえに,空冷Z系・J系のような重厚な味わいに欠けるところであるが,しかし,いざターボが炸裂したときの二次曲線的な加速は魔性の魅力である。漆黒の闇と情熱の紅蓮の炎のようなカラーリングで,高速道路でこそ真価を発揮するバイク。

神の領域に到達するためのバイクは,後にも先にもこれしかない。

750ターボ カワサキ

京都コンピュータ学院自動車制御学科


京都コンピュータ学院
京都情報大学院大学

comments