マティーニ Martini

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カレー・カレーライス特集

マティーニ Martini

ジン45ccに対してベルモット15ccをシェイクして,好みでアンゴスチュラビターズを2ダッシュかレモンピールを軽く絞る。シェイクしてキンキンに冷えたのをグラスに注ぎ,オリーブをひとつ沈める。ジンとベルモットを目分量で測り,シェイカーからグラスに注いだときに,丁度グラス一杯分になるのがプロだといわれる。実際,上手なバーテンに作ってもらうと,見事にグラス一杯ぴったりになる。それよりもジンの比率が多いと,ドライ・マティーニと言うが,昔は,ジン1に大してベルモット2くらいの比率が普通だったそうだ。オリーブを二つ入れてダブルオリーブマティーニというのもあるが,塩気がすこしきつ過ぎるように思う。

大都会のガラスの味という形容が最もふさわしいような,透き通ったメタリックな味わいが酔いを加速する。決して草原や野原や海辺には似合わないように思う。学生時代,当時好きだった子と一緒に六本木でこれを飲んでいた。彼女の仕事の都合もあって,それっきり疎遠になってしまったのだが,その夜のマティーニの味と街の光景が記憶に残る。学生の身分とっては高望みに過ぎないような人だった。そのときのマティーニは,なにか大人の匂いがして物悲しくメタリックで,それでもそれを欲さずにはいられないような哀しさがあったように記憶している。

ジンとベルモットの混合比率は百家争鳴で,酒飲みになればなるほど,ジンが美味くなるから,ジンの比率が上がる。極端な例としては,「ベルモットの瓶の口を開けて置いておいて,匂いをかぎながらジンを飲むのが最高のマティーニである」とか,さらには,「横に置いたベルモットの瓶のラベルをにらみながらジンを飲むのが最上である」などという冗談もる。

また,ジンの代わりにウォッカを使うのは,ウォッカ・マティーニという。007のジェームス・ボンドの「ウォッカ・マティーニ,シェイクではなくステアで」という台詞が映画に出てくる。シェイクはキンキンに冷えるが,ステアだと,柔らかに冷える。ウォッカベースでステアにすると,尖がっていないまろやかな別ものになる。

ジンベースのマティーニはカクテルの王者だが,これといった定番のブレンドが無いところが難しい。筆者の好みは,「ジン9,ベルモット1でシェイク,ビターズを多い目で4ダッシュ,オリーブはひとつ」である。

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カンパリソーダ

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カレー・カレーライス特集

友人が祇園にバーを開いたという話を聞いて,幼馴染と連れ立って5人で押しかけた。ママは小学校,中学校の同級生である。その夫も同じく同級生。想い出話に花が咲いた。

食事の後だったのだが,カンパリソーダを作ってもらった。ほんのり甘くほろ苦い,クリアに赤いカクテルは,子供の頃の数々の想い出を彩る。誰もがするような,同窓生の消息話,中学校の先生の話,授業の話,放課後の話。幼馴染とはさほど気を遣い合うこともなく,他愛の無い話題が延々続いて,楽しく甘い。

酔うにつれ,あれやこれやと皆に記憶が沸き起こる。グラスの中に立ち昇る気泡のように,古い記憶が次々と浮かび,そして消えていく。長い時間が経って,皆,大人になった。顔に刻まれた歳月には,それなりの苦味を感じるのだけれど,旧友との空気が変わらないことには安心する。

皆で外に出て互いに別れを告げ,タクシーに乗ろうとしたら,一瞬,初夏の匂いがしたような気がした。

カンパリのビターオレンジは,胃腸薬でもあるそうだ。内臓に持病がある自分にとっては,カンパリソーダはいつもやさしく,ほんのりと甘く,すこしほろ苦く,ほっとする一杯である。

カンパリソーダは夏のカクテルである。

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日本で焼肉

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カレー・カレーライス特集
日本に帰ってから,近所の普通の焼肉屋さんに行った。牛肉はひところに比べると,格段に美味くなったと思う。昔の日本では,牛肉と言うと配合飼料で飼育された,独特の臭みの残るものが普通で,皆が,それが牛肉の味だと信じていたのである。

最近は,そういった配合飼料の匂いの残る牛肉はむしろ少なくなって,和牛と言われるものは大抵不味くは無いし,枯れ草牧草の匂いのする牛肉だと思えばオーストラリア産であったり,アメリカ産であったりするけれども,値段の対価として不満もない。

同じ焼肉屋さんで豚バラと豚トロがあったので注文してみたが,こちらはまだまだジャパンであった。塩焼きにしてもタレ焼きにしても,同時にサーブされる牛肉に軍配が上がる。なるほど。ここである。まだまだ日本が遅れているのは。

普通の豚肉が,普通に美味い国になるには,まだ時間が必要なのだろう。
文化の成熟は経済の成長のずっとずっと後になる。

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済州島の牛肉

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牛肉

こちらは,済州島の料亭で出てきた前菜。牛肉の薄切りにうずら玉子の黄身を乗せてある。それに辛子味噌で和えた野菜を来るんで食べる。

とにかく,肉は野菜をいっしょに食べるから,胃にもたれない。唐辛子をいっしょに食べるのも消化を助けるのだろうか。韓国では結構脂身を食べるのだが,あまり胃がもたれるということがない。美味いものをご馳走になって,幸せになるということが,胃のコンディションを保つということもあるのだろう。人間とは勝手なものだ。

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ソウルにて② 豚肉の焼肉

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豚肉の鉄板焼き 韓国

韓国で焼肉,豚肉の鉄板焼き

韓国で焼肉というと,多くの日本人は牛肉の焼肉を想像するだろうが,韓国は実は,豚肉が滅法美味い国である。アジア圏の中では一番ではないかと思う。特に,朝鮮半島最南端の済州島の黒豚は,日本,アメリカはもとより,中国のそれに比べても一等美味である。
ソウルでも済州島の豚肉というと一種のブランド化がなされていて,レストランの前にはデカデカと「済州島の」と書かれている。

鉄板で焼いて,塩だけで食しても,軽く200gくらいはいけてしまう。若ければ300gは軽いだろう。脂身もしつこさがまったくなくて,さわやかに喉の奥に消える。

塩に胡麻油を垂らしてタレにしても良いし,辛子味噌で食べても良い。チシャ菜にキムチを乗せてくるんで食べるのが王道である。

写真は,その鉄板焼き。韓流に従って,ハサミで切る。

日本でも最近は○○の黒豚などといったブランド化が進んでおり,イタリアかどこかのどんぐりばかり食べているという豚肉が入ってきているが,何,済州島の豚肉に比べると,まだまだ至っていない。済州島現地で美味いといわれている店で出てくるそれは,凡百の肉すべてを置き去りにするほど,美味い肉である。現地の通人は牛肉よりも豚肉のほうを尊ぶ。それほど,とにかく,美味いのである。

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ソウルにて①

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ソウルのお寺

ソウルのお寺の提灯

韓国情報セキュリティ学会と,情報セキュリティ産業協会が主催する採用説明会があって,基調講演者としてお招きいただいた。その会場の近くに古くからの寺院があり,写真のように綺麗な提灯がたくさん吊り下げられていた。そしてその反対側には,美しく桜が咲いていた。花より団子と言うけれども,まずは花から。

桜 ソウル 韓国
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食文化

80年代,日本がバブルに向かって盛り上がっていたころから,いわゆるグルメブームが始まった。それまで食文化を論じることはどちらかというとキワモノ系であり,石毛直道の食の文化人類学などは異端中の異端であった。もうすこし遡ると,ブリア・サヴァランはもちろん,北大路 魯山人や谷崎潤一郎なども,一種のキワモノだったと言えるだろう。美食は衣食足りて礼節を知り,そしてその上での道楽であったと思う。

経済が発展し豊かになると,衣食住も贅沢になる。そして,美食の追及が大衆レベルで普及していった。しかし,実際のところ,本質的な意味で美食が蔓延してきたとは言いがたい。テレビでは本当に味がわかっているのかと疑いたくなるような若いタレントが,美味いおいしいと騒ぎ立て,紹介された食材やレストランに人々が殺到する事態が普通になったが,それらマスコミで騒がれているものは,ほぼすべてが,たいしたことないものばかりである。それに加えて,贋作インチキの類も増えた。本質は,大量消費の加速に伴って雲散霧消するものである。

看過できないのは,それで自然の資源が急速に枯渇する事態を招いているという事実である。マスコミで喧伝される言説を妄信して,圧倒的大量に消費され,自然の食材が枯渇し始めていることは,実は大変な地球環境の問題なのだ。省エネや環境問題を論じるときには,食の問題は避けられない。

大学の大衆化という言葉がある。大学に大衆が押し寄せるようになって,大学の質が低下するという議論であるが,日本における「大学の大衆化」の本質は,学問研究と関係のない社会層に,それを押し付けたという悲劇でもある。卒業後就職する人々にとって,学問研究は教養であることに疑いはないが,それは他方で,実践的な生きていく力の滅失を意味した。美食の大衆化は何を齎したか。何が結果するのか。言うまでも無く,贋作としての美食の蔓延と資源の枯渇である。

仔細は語るまい。近頃,本当に美味いものはすでに,家庭や町の裏通りに,ひっそりとしか存在しないのではないかとの疑念を持っている。常日頃から目前に供される食材を,あと何年,食べることができるのか,それら食材のうち,ケミカル,農薬,バイオテクノロジーの関係しないものがいくつあるか,意識しながら,美食を考えていきたいと思う。

新年度にあたり。

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桜花の季節

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春のお菓子 八橋

本家西尾八ッ橋の春バージョン生八ッ橋

八つ橋,八橋,八ッ橋,店によって記載が異なり,本家とか総本家とか元祖とか,どれが本当の歴史なのか良くわからなくなっているほど,京都では普通のお菓子として普及しているが,そもそも八橋とは,焼き菓子である。日本全国には,生のほうが普及してしまって,生を八橋と思っている人が多いそうだが,生は元々,製菓工場ですこしだけわけてもらうような特別なものだった。

子供の頃,近所に八橋を焼いている小さな製菓屋があって,木のブロックで重しをかけながら,米でできたせんべいを焼いていた。短冊に切った生八橋を,鉄板の上で,木のブロックを重石にして膨らまないようにして焼く。そして熱くて曲がるうちに,丸い溝において,上から鉄の丸棒を乗せて,琴のように曲げる。冷えると,湾曲したまま固まる。ニッキの香りがきつい,京都の古くからの菓子である。

その工場からは,いつも木の重石をあっちやったりこっちに乗せたりする音がカチャカチャと響いていて,前を通るとシナモンの香りが漂っていた。そして,そこで,生八橋を分けてもらうと,「今日中に食べんとあかんえ」,と言って,少量を紙で包んでくれるのだった。生八橋はすぐに干からびて固くなるものなので,工場のすぐ近くでしか得ることが出来なかい,地元の人たちだけの,特別なお茶請けだったのだ。

パッキングの技術と流通システムが発達して,今ではあちこちで生八橋が売られている。その結果,本来の焼いた八橋のほうがマイナーになってしまった。そして,その生八橋にも様々なバリエーションが登場して,それはまた,季節に応じて種々工夫されている。

春。桜花の頃には,桜の香りを練りこんだ生八橋が売られる。京都の和菓子は,伝統的に毎月それぞれに,様々な時節ものがあるが,八橋にも季節が織り込まれるようになった。

四季折々の移ろいを,お菓子でも知ることができる街,京都に,生涯のうち数年間でええから,住んでみなはれ・・・。学生時代を送るのは,京都がイチバンどすえ~。

桜が咲いてるなあ~。春やなあ~。

嗚呼,桜花咲き,また散る・・・。一年が終わり,一年が始まる。

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マルホベーカリー

京都のパン屋

京都コンピュータ学院という名称発祥の地のすぐ近く,現在の京都情報大学院大学から北上することほんの200歩くらいのところに,戦後すぐに創業し,今も昔ながらの方法でパンを焼いているマルホベーカリーというパン屋がある。喫茶も営業していて,パスタも美味い。

写真は,右上から右回りに,ぶどうパン,クロワッサン,塩パン,カップケーキ。いずれも昔からずっと変わらない美味さである。この店のパンは国産小麦粉と天然酵母を使っていて,イーストフードを使用していない。百万遍界隈だと,ここのパンしか食べない。

日本は今,世界一パンの美味い国である。しかし,ほとんどの店で,パンには発酵を促進させる化学薬品(イーストフード)を入れている。これが,胃炎持ちには辛い。パンを食べて胃酸過多になる人は,多くの場合,イーストフードが原因である。

天然酵母で,イーストフードを使用していないパンだと,胃酸過多にならないのである。

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水戸納豆

水戸納豆

水戸納豆

関西人には納豆嫌いが多いと言われるが,京都では,昔から有名な紫竹納豆というブランドがあって,納豆は結構普及している。

元来,納豆はワラづと(藁)で包んで,藁に付着している納豆菌で発酵させるものである。発泡スチロールの中で発酵させる技術が開発されてから,写真のようなパックが普及した。初期の頃は,発泡スチロール内で発酵させたときにこもる,独特のアンモニア臭が残っていたのだが,近年それも改良されたようで,発泡スチロールパックでも美味いものが増えた。

納豆は,北関東が本場である。北関東の家庭の冷蔵庫には,いつも必ず納豆があるのだそうだ。写真の「水戸撰品」は,くめ・クオリティ・プロダクツ株式会社というメーカーのものである。こちらの会社の納豆は,全般的に「くめ納豆」として知られている。納豆というと,水戸では,ワラづとに包んで販売される「天狗納豆」が有名だが,発泡スチロールパック商品の中では,「くめ納豆」は地元でも味の優れたものとの高い評価を受けているらしい。最近は,京都のスーパーでも普通に流通している。この納豆は美味い。

最近の納豆の流行で気に入らないのは,添付されている「たれ」の多くが化学調味料入りであることだ。化学調味料入りのたれを混ぜても,せっかくの納豆の美味さを消してしまうように思う。
したがって,納豆には,できるだけ天然醸造醤油をかけて食すことにしている。本当に美味い納豆ならば,良い醤油を合わせるだけで十分美味い。気分によってきざみ葱を混ぜたり,生卵を入れたりする。からしも入れる場合が多い。

納豆は,力いっぱい混ぜて,糸を引くようにして食べなくてはならない。本場の味を知る人が納豆を混ぜているのを見ると,これでもかというくらい必死で混ぜている。粘液を空気と混ぜることによって,かなり美味くなるのである。このワーク(WORK)で手を抜いてはいけない。

そうすると,写真のように泡立つほどになる。この泡だった強力なネットネトの糸を引いて食べていると,箸と茶碗と唇がネットワーク化される。(納豆ワーク化ともいう)

ちなみに,ネットワークを切断するには,箸を口の横で半径3cmくらいで小刻みに5~6回転させて,ログオフする。その箸の振り回し方にはコツを要するので,幼少より納豆のある生活に慣れている人に学ぶべきである。

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