☆火星大接近デマ

Mars

 今アメリカで8月27日に火星が大接近し、月と同じくらいの大きさに見えるという噂が流れているそうです。
火星大接近をめぐる噂と真相(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) – Yahoo!ニュース
誰がなぜこんなデマを!
2003年8月27日、火星は地球と歴史的な大接近を果たしましたが、その距離は月までの約150倍。もちろん望遠鏡で見ても月よりはずっと小さい。
 いたずらか間違いか知らんが、ありえないことを結構信じてしまうのかなぁ~

ちなみに火星は今、明け方ふたご座に見えます。
なおこの画像は亡きN先生の作品です。

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☆旧七夕

 今日は旧暦の7月7日、七夕です。天の川を見上げるにはいい季節になったけど、曇って星は見えそうもありませんね。
ところで今朝の読売新聞2面の隅に小さな記事がありました。
古今集に紀友則のこんな七夕の和歌があるそうです。

天の川浅瀬しら波たどりつつ 渡りはてねば明けぞしにける(古今177)

その意味は
「彦星が織姫に会いに行くため天の川の浅瀬を探していて、どこか知らないので白波を辿っているうちに、渡り切れずに夜が明けてしまった。」
なんですがそれは表で、裏の奥では
七夕の宴で天皇から七夕の歌を詠むよう命ぜられ、苦労するうちに夜が明けてしまった藤原の某さんをからかっているそうです。

 和歌、特に平安鎌倉時代にはこんなのが実に多い。
関西人によくある隠語、ダジャレの源流みたいな気がしますね。
紀友則の最も有名な歌は

ひさかたの光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ

ですが、これもなんとなくアヤシイ。のどかな春の日に桜の花が散る、その後はの季節が来る、いやだなぁ
という意味のとれませんか。藤原氏にいじめられて潰された紀氏のささやかな抵抗。

やっぱり文章表現力はいつの世も重要です。

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☆Googleサイトに

google

 Googleサイトのデザインの変化にお気づきですか?なんとガリレオの望遠鏡。サイエンス・パイオニアの宝物とは世界天文年らしいエルですね。さらにここをクリックすると、「ガリレオ 望遠鏡」で検索した結果が表示されます。

スバラシイとハワイにいるメル友がしらせてくれました。

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☆日食観測報告会

比叡

 本日、京大理学部構内で花山星空ネットワーク主催の日食観測報告会が開かれました。参加者はおじさんおばさんが多かった(5月の準備会では小学生がたくさんいたが)。
 トカラ、屋久島、奄美、中国、硫黄島海上へ行った人からのレポートがありましたが、きれいな画像が撮れたのは5番目のみ。でもみなさん、当初の目的は達せられなくてもそれ以外、それ以上の成果を挙げられたようでした。

 最後にcastorは今後の日食について話しました。上図は2012年5月21日の金環食を比叡山頂から琵琶湖とともに眺めようというもの。近場でオススメです。
また下図は来年7月にイースター島で起こる皆既日食、実はすでに満杯だそうです。

日食

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☆星座の中の動物-2


おひつじ座の羊は全身金色の毛を持ち,空を飛ぶことができます。
フリクソスとヘレという幼い兄妹を継母から救い出し、ギリシアからコルキス(黒海東岸今のグルジアあたり)まで連れて行きました。途中ヘレは海に落ちてしまいますが。
ところがその金毛のお羊は感謝のしるしとして神へ捧げられた(すなわち生贄とされた)そうです。カワイソー!納得できんなぁ。

 ギリシアの神様もユダヤの神様も羊が大好物のようで、子羊の焼肉を神へ捧げる場面はよくありますね。彼らにとってはカワイソーではないのかもしれないが・・・。
羊は犬と並んで最も古い家畜だそうです。中国北部からヨーロッパにかけては約1万年前から飼われていますが、日本では明治以降のようです。ヒツジは非常に食べ物に貪欲で、草に根まで食べるそうで、そのため牧羊地は移動していきます。すなわち自然破壊をやらかしてしまいます。わが国では牧羊の習慣がなかったので、森が守られたという話を聞きました。羊を飼う地域は米作ではなく乾燥した麦作地域です。
 マトンはパンや麺と一緒に食べるもので、ジンギスカン・ライスというメニューは本来ありえないものですが、そこはいかにも和(日本)的です。

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☆星座の中の動物-1 

 星ネタというより動物怪物のお話で、どう展開していくかわかりません。

 しし座のししはギリシア北部ネメアの谷に人食いライオンで、怪力の英雄ヘルクレスに素手で絞め殺されてしまったと言われています(まさか!)。
でもほんとうにギリシアにライオンが棲んでいたのでしょうか?ライオンはアフリカの草原の動物と思いがちですが,インド西部の森に少しだけ残っています。この種はかってはペルシアから小アジア辺りにもいたようです(東アジアは虎の縄張りのためいないみたい)。さらにその仲間であるヨーロッパライオンはスペイン、南フランス、イタリア、そしてバルカン半島の南で1世紀ごろまで生息していたそうで、絶滅の原因は生息地の開発、野犬との競争、過剰な狩猟のせいです。ライオン狩りはコロッセオで闘獣士と戦わせるため、ギリシア人やローマ人にとって必要な仕事でした。

となるとやっぱりギリシアにもライオンは棲んでいた、そしてライオンの谷へ追放という刑罰があったのでしょうね。

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☆人間過去未来-4

 30年くらい前までは人類は核戦争によって滅亡すると言われていました。「火の鳥」でもそのような場面がありますね。東西冷戦がなくなった現在、考えられるのは人口増加による食糧不足、温暖化など環境問題、新型インフルなどウィルスの逆襲、そして予測できない小惑星落下などでしょう。

 60億のうち満足な食生活をしているのは果たして何割でしょうか。アフリカの子供は飢餓状態にあります。食料を外国から買ってできたコンビニ弁当を捨てるような民族は明らかに例外で異常です。食料は不足しているというより偏在しています。
その解決のための手段として、かつて「出アフリカ」で世界に広がっていったように、いつの日か「出地球」で他の惑星に進出・開拓ということが考えられますが、はたしてできるのか?著者は否定的です。私もこの地球で進化した生物が簡単に他の天体で生きていけるとは思えない。いやそれよりも人口は100億には達しないのではないでしょうか?日本をはじめ多くの国ですでに人口減少、中国、インドもいずれはそうなるし途上国もそのうち。

 氷河が後退した後、ホモサピエンスは農耕を始め自活するようになったが、そろそろピークを迎え衰退期に入っていくような気がします。その衰退の速度をどれだけ弱め、いつまで生き延びられるかは人間の知恵によるのでしょうね。

起承転結と4回でまとめようとしたが、むずかしかった!

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☆人間過去未来-3

  ではただ1種類のホモサピエンスがどうして60億を超す大集団になれたのか?いうまでもなくそれは食料を確保できたからでしょう。しかしホモサピエンスの歴史20万年のうち95%は採集狩猟時代です。栽培牧畜を始めてからまだほんの10000年足らず、中にはまだ100年という民族もいます。採集狩猟生活というのは全く不安定で常に飢えている状態と言ってもいい。獲物が獲れなかったら他人のものを取るしかないので争いは絶えない。人口が増えるはずがないですね。定住して農業を始めて自前で食料を確保できてから、産めよ殖やせよということができるわけです。
 しかし同時に新たな問題も発生します。灌漑のため河の流れを変え、あるいは森から木材を切りだすという自然破壊を起こします。古代文明が生まれたところは開発しすぎのためその後廃墟になったところが多いです。またこのためには強力なリーダーを必要とするので、厳しい神や強い王が生まれた。これらの地域は一般にシビアな環境、乾燥地帯です。

 ギリシア神話にこんな話があります。

かつてこの地上は,山には穀物や果物が実り,川にはミルクや酒が流れ,人間は農作しなくてもいつも満ち足りて,何不自由なく暮らしていました。また正義と信仰がいきわたり,権力を振り回す者もいなく,法律なんてものも不要でした。神々はこの世で人々と一緒に暮らしていました。このような平和で平等な時代は「金の時代」といわれています。ところが時はうつり「銀の時代」「銅の時代」「鉄の時代」となるにつれ,人間は互いに武器を持って,大地を取り合う醜い争いを繰り返すようになりました。

また旧約聖書のいうエデンの園も似たような話ですね。

 これに反しわが国では気候は温和で、山にはドングリが、短く急流の川にはサケがいっぱいあったため、農業開始は遅れたというより、その必要性がなく、ノンビリとした縄文時代が長く続いたのでは?

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☆人間過去未来-2

 人類はなぜ1種類しかいないのか?犬猫象鹿いずれも何種類か現存しています。
かつては現代人と共存した人類がいました、その中で最も有名なのはネアンデルタール人、ヨーロッパが主で中央アジアあたりまで分布していたそうですが、約2万5千年前に絶滅。ネアンデルタール人はホモサピエンスと交流も闘争もなく併存していたようです。彼らは頭脳は現代人と変わらず、骨格からして体力は勝っていたようです。しかし決定的に違うのは言語能力(骨の構造からしてあまりしゃべれない)したがって集団生活に不可欠なコミュニケーション力は劣っていた。また抽象的な思考ができないので宗教芸術科学技術など文化創造はできなかったとか。逆にいえばこれができることがホモサピエンスの特徴です。最終的には文字を持ってそれを自在に操ることのできるものが勝つのでしょうね。
そういえばギリシア神話や聖書の伝承には先住民族としての野蛮な巨人族が出てきます。

 ホモサピエンスと併存した人類の別の例としてインドネシアのフローレンス島に1万2千年前までホモ・フローレシエンシスという1mくらいの小人がいたそうです。彼らは最後の非ホモサピエンス人類と言われています。

その子孫どこかにいるかも コルボックル?

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☆人間過去未来-1

人類進化99の謎 (文春新書)


 バス待ちに百万遍の角の本屋に入りなんとなく買ってしまった。短い話が99個、面白いがもうひとつツッコミがほしいです。そのうちからいくつかを紹介しながら人間の過去未来について考えてみます。
 
 むかし、猿人、原人、旧人、新人と覚えたけどもう古いのですね。人類は直列的に進化してきたのではなく、われわれホモサピエンスは多数のヒトのうちの一つにすぎない(ただ1種類なのに六十億もいる)。他のホモなんとか、なんとかトロプスはすべて滅んだのです。ヒトの誕生地はすべてアフリカで、何度も出アフリカがあったそうです。最後の出アフリカは約二十万年前、それが現代人でヨーロッパではネアンデルタール人を、アジアでは○○人(それもかつてアフリカから出てきたものも子孫)を駆逐し全世界に広まった。最後にたどりついた大陸は南米で、シベリアからベーリング海峡を歩いて渡って(氷河時代なので陸続きでした)。それはわずか2万年前だそうです。

 地球46億年の歴史の中で人類が世界中に広がったのは極々最近のこと、というよりこの2万年のテンポラリな現象のようにも思えますね

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