☆アトランティスミステリー


というタイトルの本(庄子大亮著:PHP新書)を読みました、メッチャおもろかった。
12000年前に沈んだと言われるこの島(大陸)はどこにあるか?2000年以上も探し求められ、無数の候補があります。それらを紹介していく過程で、大陸移動、海洋変化など地球物理学の解説も加わって、著者の博識には驚かされました。

 そして何よりのショックはこの伝説の生みの親であるプラトンの真意に迫っていることです。アトランティスとはアンチ・ユートピアなんですね、結局。今のところこれ以上のコメントはできませんが、ぜひ読んで欲しい。古代ギリシアの知識が多少要るが、やさしく語りかけている文体でわかりやすいです。

実は今月末発売で、著者(歴史学担当のS先生)からもらって2日で一気に読んだ。

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☆未知の惑星X

太陽系に未知の「惑星X」が存在する! (講談社プラスアルファ新書)

 未知の惑星を探す試みは天文研究者・天文愛好家の昔からのロマンです。かつて海王星の彼方の未知の惑星探しは1846年から80年間あまりも続けられました。そして見つかった(1930)のが冥王星ですが、これは当初から異質な惑星とみなされ、ついに2006年に惑星から外されました。でも太陽の周りを回る惑星は減ったのではなく、逆にメッチャ増えて、今や20万個も登録されています。
 さらにもっと遠くの惑星があるはずで、その発見にチャレンジしようというのが本書です。いつの日かその惑星が発見され、そこに探査機が訪れる時代になるでしょう。著者はM先生、誰かって? ヒントは下記サイトにあります。
JPL Small-Body Database Browser (10146)

ついでのこれもご覧ください
JPL Small-Body Database Browser (10142)

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☆蒼穹の昴 

蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

 題名につられて読みだしましたが、第4巻にはいってもすばるの話は出てきません。
時は中国清朝末期、貧しい少年・李春児は、占い師の予言を通じ、都に上り宦官となって多彩な才能が認められ西太后のお気に入りとなります。一方幼なじみの兄貴分・梁文秀はあの難関の科挙の試験にトップで合格し光緒帝の側近になります。120年前の中国は英(アヘンを押し付けた悪の元凶)仏露によって国土は分断され、そこに日米も加わって、瀕死の状態。それでも紫禁城の高官は贅沢三昧と権謀術策に明け暮れ、まだかつての康煕・乾隆時代が続いていると勘違いしています。この二人はそれぞれ相反する立場で国に将来を嘆き、また若き孫文、幼い毛沢東は焦っている、というシチュエイーションで、読み応えがあります。

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☆天才ハミルトン

 ニュートンに次いで19世紀のアイルランドの数学者ハミルトンの話です。とにかくものすごい神童で10代前半で10ヶ国語を自由に操り(ラテン語ギリシア語はもちろんペルシア語まで)、ユークリッド、ニュートンの本を理解し、ラプラスの著書の誤りを見つけたという恐るべき小学生です。さらに詩作にもすぐれ、大学卒業前に天文台長への就任が決まるという天才でした。天文台長といっても観測もデータ解析も、助手に任せて、数学と詩に没頭します。
 ところが天才にありがちなことですが、逆境に弱い。初恋がかなわず、心ならず別の人と結婚したが、妻は病床にあり、30年経っても初恋の人が忘れられない。また彼の四元数は難しすぎて、著書は評判が悪い。晩年はアルコール中毒の中での数学研究だったそうです。モーツァルトと似てる。
 彼の理論は死後数十年経ってから評価され、20世紀の量子力学の発展に非常に役立ちました。さらに現在、3DCGや人工衛星の姿勢制御などに必要な理論となったのです。
ハミルトンもまた非常識なパイオニアだった。

 
☆変人ニュートン
☆非常識とパイオニアスピリット 再

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☆変人ニュートン

心は孤独な数学者 (新潮文庫)

 著者は「国家の品格」で有名ですが、れっきとした数学者です。ニュートン、ハミルトン(解析力学の完成者で四元数の考案者)、ラマヌジャン(ほとんど無名なインド人)という変人数学者について書かれています。ニュートンはやはり孤独な変人です。面白かったのは当時ケンブリッジ大学は法律家聖職者を育成する学校で、重要科目はラテン語、数学が開講されたのは彼が2回生になった時、ここで彼は初めて数学を学んだそうです。このときから数年間と40過ぎてから大著「プリンキピア」を書きあげるまでが最も数学物理を勉強した期間とか。その集中力はすさまじかった。一方で錬金術という怪しげな実験に凝ったり、50過ぎてからは聖書の年代学や造幣局長官という役人の仕事が主だったようです。天体力学を創り上げたけど観測には興味ないようで天文学者ではない。
 ニュートンというと近代人と思いがちですが、まだまだマジシャン的な要素が残っている。
科学者とか研究者とかいう地位はまだなかったころですからね。日本での同世代人は吉良上野介です。

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☆経済物理学~統計学のすすめ

経済物理学の発見 (光文社新書)

 名前につられて買ってしまいました。本来ありえない組み合わせと思っていたがecophysicsという学問分野ができているそうな。著者は物理出身で経済現象をカオス理論で研究している人らしい。10年前と違って最近は評判はよろしからずです。うまくいかないわけはモデルができていない、不連続なことが多い、など(以前から言われていたこと)だけでなく、いろいろなところで頭から正規分布を仮定しているのが間違いだという記述にはフムフムでした。
 そもそも正規分布とは極端に大きい、小さいことはほとんど起こらなくて、平均周りに集中している現象について適用されるものです。例えば人の身長とか測定誤差とか。。。ところが成績、収入、人口増加など本来正規分布になるはずがないのです。これじゃ予測と現実は違って当然です。偏差値による成績評価は生徒の人数が減ってしかも多様性が増すと意味が無くなりますよ、きっと。
 数学が苦手な文系人も統計学を学んでほしいというのが読後感想でした

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☆新学習指導要領

小中高の学習指導要領はよく改訂されます。次回のものは新しい学習指導要領 「生きる力」-文部科学省にあります。私の関心は高校生は何を学んでくるのかということです。
 数学では統計が重視され、必修である数Ⅰに「データの分析」があり、複素平面が数Ⅲで、これらは復活というか出たり入ったりですね。理科は大変です。科学の進展が目覚ましいのでアタリマエかもしれません。40年前と変わらないのは物理だけでしょう、たぶん。
 問題は情報です。従来の情報A,B,Cの3種類が「情報の科学」「社会と情報」のどちらかを履修することになります。「情報の科学」のキーワードは「問題解決」と「科学的な考え方」ですが、これを理解させることは難しい。施行は4年後の予定ですが、前倒しになる可能性があるので、われわれも早めに対応していく必要があります。

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☆黄金の国ジパング

金・銀・銅の日本史 (岩波新書)

 工学屋さんらしい技術中心の歴史の見方が実に面白いです。
これからの考古学研究者は理工学の基礎を系統的に身につけることが必修とすべきであることを語っています。
これまで人間が取り出した金の総量はたったのプール3杯分しかないそうで、そのうちのかなりは日本から。奈良の大仏、平泉金色堂、金閣寺もさることながら、戦国時代から江戸時代にかけて、多分日本は世界最大の黄金の国です(マルコポーロが書いたことは後で事実になった)。甲州、佐渡、石見、生野・・・を押えた秀吉、家康はものすごい大金持ちだったようです。
 ところが、その金銀は今はなし、どこに消えたのでしょう。スペイン、ポルトガルとの南蛮貿易で大損したというより持っていかれたらしい。その貿易船を襲って略奪したのはイギリス、オランダの海軍(=海賊)ですが。幕府は慌てて鎖国した(鎖国はもっと評価さるべきと思う)、それでも長崎から流れた。
 
 日本人がお人好しで、騙されやすいのは昔も今も・・・なんですかねぇ。

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☆星界の報告~ガリレオ噺3

星界の報告 他一編 (岩波文庫)
 いま大昔の本を読んでいます。発行は1610年、著者はガリレオ。
初めて望遠鏡で夜空を眺め、月にはでこぼこの地形であること、天の川は無数の星の集まりであること、木星の周りを回る小さな星(4衛星)を見つけたことなどが、書かれている本です。いわばノンフィクション体験記で、彼はこれで有名になった。科学の古典です。
 実はこの本は30年以上前に読みました。どこかにあるはずだが、探すのが大変。いまさら書店に置いてないやろな、ところがあったので迷わず買いました。

  昔の岩波文庫だし字が小さい・・・

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☆ガリレオ噺2

 本棚の隅から「ガリレオ裁判」(サンティリャーナ著;武谷三男監修:岩波:昭和48年)という骨董品が出てきました。分厚くて字が小さくてなかなか読む気が起こらないが、なんとかトライしています。読み終えるときには世界天文年は終わってるかも。
当時ガリレオは望遠鏡を制作し王侯貴族に売って(自分のスポンサーには寄贈して)結構もうけている、またケプラーは頻繁に文通して、地動説を確認しあっています。

 ちなみに武谷三男といえば有名な若者いじめをする大御所さまでした。castorも昔(もう30数年前)とある研究発表でその銃弾を浴びたことがあります

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