Z2A(750RS) 1974年-1975年
車台番号 Z2から連番(運輸省認可型式はZ2)
エンジン番号 Z2から連番
総生産台数 正確には不明。Z2F-15900番台が確認されているので,Z2AとBを合わせて12000~13000台程度とも推測できる。また一説には,1万6千100番台でエンジン番号が+34番というのがあるという。また,1万6千499番までがZ2フレームであるという説もある。「Z1Z2の神話」には,Z2は昭和48年1月から50年12月までの期間に,総数として16,270台生産との記述がある。
タイトルは便宜上「Z2B」としているが,輸出モデルのZ1は,Z1,Z1A,Z1Bと三種類に分類されるのに対して,国内向けZ2のメーカーによる分類は,Z2とZ2Aだけであった。
Z2Aはフレ-ムNoZ2F-10336までで,それ以降はZ2B(後期)となるという説もあるが,明確に一線を引ける分類上の根拠はない。具体的に言うと,塗装以外にZ2Aとの違いがほとんど無いのである。塗装がZ1Bと同じものがZ2Bと呼ばれることがある,という程度である。
Z2は,輸出モデルの部品を使用した国内向け750であり,輸出モデルがマイナーチェンジをした後でも,以前の部品を使用していたりする。Z1はZ1Bになってチェーンの自動給油装置が廃止されているので,それに伴って国内向けZ2も廃止されたと思われるが,たったひとつの装備が違う程度であるから,運輸省認可事項とはならなかったのだろう。
塗装は,輸出モデルのZ1Bのブルーよりも若干暗い色で,スーパーダークブルーと称された。また,エンジ色っぽいスーパーダークレッドも少数ながら国内で販売された。
いわゆる内プレスタンクは,このモデルの途中までで,後半から外プレスタンクが装着されている。
近年,カワサキ「Z2」の概念が曖昧になっており,一部では,Z2とは何を指すのかというような,変な議論になっているらしい。「Z2とは,Z2とZ2Aのみである」という主流の意見と,「Z750D1までのいわゆる丸Zまでを含んで,丸Zの総称をZ2とする」という意見に分かれているようである。
運輸省認可型式の「カワサキ Z2」は,Z750A5までであり,車両の認可型式を基準に言うならば,Z2,Z2A,Z750A4,Z750A5の以上がZ2になる。認可型式を根拠に分類すると,その後のZ2とほぼ同型のKZ750D1は除外されることになる。
エンジン型式を基に定義するならば,Z750FXのD3までが,「Z2E」から始まる番号の同一型式のエンジンを搭載していたので,そのZ2エンジンを搭載しているならばすべてZ2であると言うことになろう。そうすると,Z2の概念は,いわゆる角ZのZ750FXを含むことになる。
タンクなどの外観の形状で分類するならば,いわゆる丸Zと角Zということになろうが,その外観を細かく分類すると,①初期型ショートピッチタンク,②一次型ロングピッチ内プレスタンク,③二次型ロングピッチ内プレスタンク,④外プレスタンク,そして⑤Z750FXの角タンク,以上の5種類になる。
ここで,「タンク形状が丸くて4本マフラーである」か,「タンク形状が角ばっている」か,というだけをもって二つのグループに分類するのはともかくとして,「D1までのグループはすべてZ2であり,角ZはZ2ではない」と言い張るのは強引に過ぎる。
運輸省の認可型式は法的に必要なものであるが,その命名はいわば便宜上のものなので,生産元のカワサキのコンセプトメイキングと事業戦略による概念構成と,当時Z1とZ2と称されたという事実から考えると,「本家Z1あってのZ2」という,原点での命名が基準であろう。そうすると,Z2とは,Z2とZ2Aのみであるということになる。
つまり,カワサキZ2とは,「カワサキZ1のボアダウン&ショートストロークの国内限定特別仕様」のことであると定義するのが一番適切であろう。Z1,Z1A,Z1Bを「Z1」というのであるから,Z2はZ2,Z2A(Z2Bも含む)であると言えよう。
実際,筆者とその友人たちは,Z2A(B)までをZ2,ゼッツーと呼んでいたし,Z750A4以降のモデルは,ナナハンフォアと呼び,Z2とは別モデルであると認識していた。
写真提供;カワサキ
参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ
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カワサキZ考古学;概論
車台番号とエンジン番号・カワサキ1Z1,Z2,Z1000R
レストア・カワサキZ1,Z2,Z1000R
空冷Z関連の技術に関するtips・カワサキ空冷Z
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空冷 カワサキ Z1,Z2,Z1000R,のカスタム@京都コンピュータ学院自動車制御学科
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