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カワサキZ2
カワサキZ2A
カワサキZ2B
カワサキZ考古学;概論(空冷カワサキの各車種を紹介しています。)
車台番号とエンジン番号・カワサキ1Z1,Z2,Z1000R
レストア・カワサキZ1,Z2,Z1000R
空冷Z関連の技術に関するtips・カワサキ空冷Z
カワサキ空冷Z系,J系
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反省点
盆休みを活用してのわずか数日間の旅であったが,毎日,三百数十キロを走り続け,トータルで2300kmに達した。
自由気ままな一人旅だが,自分との闘いであったともいえる。その意味では,「独り耐久レース」だった。誰とも勝敗を決するわけでもない。ただ,走ることに意義や意味を感じて。
しかし,故障の度には,本学フクダメカに電話して助言を得たり,BitoR&Dの美藤さん始めメカの方々から直接電話して頂いて,助言を多々いただいた。多くの助けてくださった「パドックの方々」はありがたかった。同僚も京都から,さまざまに応援をしてくれた。電話で話を聞いてもらうだけでも,そういうさなかにいる当人にとっては,ありがたいものだ。
さて,空冷Z,つまり,旧車で独りでの長距離行の,反省点を列挙しておきたい。
【準備・出発までに】
どんなバイクでも言えることだが,準備は怠らないことである。
タンクの中は洗浄しておく。普段の走り方と違う走り方をすることにより,振動など条件が変化して,それまでほぼ固着していた砂や埃や澱などがタンクの中で舞い上がり,キャブにまで落ちることがある。
ガソリンフィルターは,空気が溜まってガソリンが流れなくなることがあるので,細いものにするか,何があってもガソリンが落ちるように工夫しておく。気温が上がるとタンクの温度も上がり,揮発も増え,ガソリンの流れを阻害することがある。
ハーネス,コイル,電気関係は新品にしておくにこしたことはない。ギボシは全部,電気コードと半田付けしておくべきだと思う。挟んで押さえつけるだけでは,接触不良になったり外れることもある。オーディオの世界では,コネクターの接面に金メッキをしたりしているので,それくらいしても良いかもしれない。通電を確実にしておく,ということだ。
雨の中でも走ることになるから,リークしないように徹底的に電気廻りを管理しておく。ヘッドライトの中の結線,コネクターの類も,雨が入らないように,しっかりとつないでおく。酸性雨は,侵入して金属を腐食させ,接触不良が起こることがある。振動で銅線がせん断されることもある。今回の旅で,実際に経験した。
タンクや外装は傷だらけになるので,そうなっても良いものを装着して行こう。車体も泥だらけになる。鉄でもアルミでも,メッキやアルマイト加工していないパーツは雨ですぐに錆びる。
雨の中は特に,カウルは有効だ。カウルは最高速のためだけではなくて,雨よけになる。ハーレーのFLHのカウルは,走っている限り体が濡れない。
普段とは違う振動が継続するから,ネジなども確実にとめておく。自分で外して締めたところなどは,ネジロックやロックタイトなどをつけておいたら良いかもしれない。
【工具・予備パーツ】
タンクバッグのゴムベルトも振動でちぎれた。ベルト,バンドの類は予備を携帯すること。
マフラーを留めるバネが振動で飛んでしまったので,針金をまいて対策した。プラグ,ボルト,ナット,タイラップや針金だけではなく,電気コードやギボシも,予備を持っておくこと。使っているすべてのネジの,同じ径&同じピッチのやや長いものを,携帯ノコやニッパーで切れるようにすると,異なる長さをそろえる必要がなくなる。また,ナットやワッシャを多い目に持っておくと長さを調節できる。電気コードは断線したときに,バイパスを繋ぐことができるように,ワンタッチコネクターなどがあっても良いと思う。ギボシの付け根で断線することを考慮し,使用しているギボシと互換性のあるギボシを持っておく。
プラグがかぶった時のためには,小さなワイヤーブラシもあった方が良い。木の柄のブラシの柄の部分を切り落として携帯したら良い。雨でリークしてかぶることもある。
旅先で,女性ライダーがバイクを倒してしまって,クラッチレバーが折れて,走れなくなったという話も聞いた。倒す可能性のある人は,クラッチ,ブレーキのレバーも予備を持っておいたら良い。
パーツクリーナーは整備設備のあるガソリンスタンドなどにあるが,ブラストマシンはまずない。
【雨対策】
雨は上からも下からも侵入するし,衣類は無論,バッグの中まで侵入するので,衣服の防水も荷物の防水も対策すること。バッグの中の荷物は,防水状態にしておくべきだ。ゴミ袋程度だと,バッグの中で破けるから,複数枚持つか,しっかりしたものにする。
靴は本州で走るときに「防水だからOK」と言う程度のものよりも,ゴム長くらいの防水力は必要になる。最近は道路が良いから轍の水たまりも少なくなったが,稚内から網走への海岸線も轍が多いし,裏道に入ると多くの轍が残っている。
対向車とすれ違う時に,その轍の水溜まりから,大量の水をかぶることになる。イッキに衣服や靴の隙間から,中へ水が浸み込む。今回は途中でゴム長を買って,登山用の靴ひもで脱げないように縛って,それで雨の中を走った。
手袋も防水のものを使用する。外側の皮革が濡れても,中までこないから比較的暖かい。濡れてもあたたかい手袋は,スキーであらゆる技術が開発されているので,そのようなものを選ぶと良い。ヘルメットの中,顔などは濡れるものと割り切るしかない。女性の場合は化粧してたら大変だと思うのだが,水泳のときを考えたら良いと思う。
ブレーキキャリパーは雨と泥で詰まるので,雨にやられた後は,ガソリンスタンドで高圧洗浄機で洗うだけでかなり効きが良くなる。雨の翌日は,ガソリンスタンドの高圧洗浄機を使うこと。ディスクへのアタックも減る。
【北海道ならではの注意】
広いから,景色に合わせた感覚で加速すると,かならずオーバースピードになる。街から出る国道沿いは,ネズミ取りが多いらしい。地元ナンバーの走り方に倣うべきなのは,どの県でも同じだろう。
100kmほどスタンドがないところはざらにあるので,常にあと100km走れる程度のガソリン残量を心掛けるべきだ。
山の中などで携帯が通じないところが多々ある。NTTドコモ,au,それぞれに通じる地域が違うので,注意すること。万一のときのトラブルで携帯が通じないと,JAFも呼べない。
北海道の山中では,キツネ,鹿,熊に出会うことが多い。キツネはエキノコックスの媒介なので,絶対に触らないこと。キツネの糞も危ないので,野原では気をつけること。湧水,石清水,小川の水は,絶対に生(非加熱)で口にしないように。
湿原の中には,とても深い水たまりがあって,人間が落ちると二度と這い上がれないヤチというのがある。むやみに湿原の中を歩かないこと。
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