新・日本語能力試験

日本語を勉強する外国の方たちが目指す「日本語能力試験」ですが,
以前は,毎年12月の1回だけのチャンスだったのが,
昨年から,1,2級は7月にも行われることになり,
年2回のチャンスとなりました。

今年からは,さらに,試験そのものが大きく変わります。
まず,これまでは,1級~4級の4段階だったものが,
新試験では,N1~N5の5段階となります(N1が最高レベル)。
ちなみに,『N』はNihongoの『N』でNewの『N』だそうです。
そして,N1は,これまでの1級よりもやや高めのレベルまで測れるそうです。
でも,合格ラインはこれまでとほぼ同じとか。ほっ・・・。
新設されたのが,N3で,これまでの2級と3級の間のレベル。
確かに,2級と3級の差はけっこう大きかったので,
これはいいかもしれませんね。

さて,私が現在指導している,N1対策クラスの例でいくと・・・。
これまで試験科目は3科目「文字・語彙(45分)」「読解・文法(90分)」「聴解(45分)」
だったのが,新試験では,2科目「言語知識(文字・語彙・文法)・読解(110分)」
「聴解(60分)」となります。
試験時間が長くなって,集中力が続くのか・・・がちょっと心配です。
科目は2科目なのですが,得点区分としては「言語知識」「読解」「聴解」の
3区分となり,それぞれが0~60点,合計で0~180点で採点されます。
(昨年までは400点満点)。
各科目で基準点ができるので,それをクリアしないと,
総合点がよくても不合格となってしまいます。
つまり,極端にいえば,これまでは,「聴解」が0点でも,他が満点なら合格できた
わけですが,今度からはそうはいかないようで・・・。
また,試験の難易度によって,合否に影響がでないように,得点等化が行われるそうです。

試験問題形式も,これまでとはだいぶ変わりました。
勉強しなくてはならないこと,覚えたり,理解しなくてはならないことは,
基本的には変わらないのですが,問題形式に慣れることも必要です。
これまでの試験形式に慣れていた学生たちには,ちょっととまどいもあるようです。
読解では,読む量も多くなっていますので,早く読む練習もこれまで以上に必要です。
縦書きの文章もあります。
これは,縦書きに縁のない国々の学生にとっては,なかなか慣れないようです。
聴解問題も,これまでの「絵のある問題」「絵のない問題」から,
ずいぶんバリエーションができました。
初めて聴いたときは,「へぇ・・・」という感じでしたが,
今は,バリバリとポイント解説しています。

学生たちは,N1の範囲の一通りの勉強も終わり,今は演習に励んでいます。
新試験第1回目ということもあり,どうなるのかちょっとどきどきですが,
7月4日の試験では,実力を十分に発揮して,
ぜひ合格してもらいたいです。

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