京阪電車京津線の追分駅からしばらく行くと、摂取院があります。
1574年に道春法師が創建した、浄土宗のお寺です。
お寺の山門より手前になりますが、きれいな水が湧き出ていて、こちらの湧水を汲むことを目的に訪れる方も多いとか。
そこから追分駅へ戻り、また反対側へぐるっと回る感じに進むと、今度は閑栖寺(かんせいじ)があります。
ここには、車石が残っており、境内には、少しだけですが車道(くるまみち)が復元されています。
江戸時代、東海道 大津札の辻・京都三条大橋間は物資を運送する牛車が行き来していたのですが、現在のような舗装道路はもちろんなかったため、
通行を楽にするために、牛車の車輪の幅に合わせて花崗岩の厚板石が二列に敷かれていたそうです。車石は、牛車の頻繁な通行によってすり減り、溝ができています。
その後、1805年には、人と馬が安全に通行できるように、一段高くなった人馬道も敷設されました。これらの道は、明治時代にはその役割を終えて撤去されましたが、
大津から山科にかけて、路傍のあちこちで車石を見ることができるそうです。
磨崖仏(拝観には予約が必要)のある寂光寺を経てさらに30分ほど歩くと、藤尾神社につきます。
835年、園城寺西南(裏鬼門)の守護神として創建された神社です。主祭神は國常立尊(くにとこたちのみこと)、鬼門の神・山の神・土地の神とも云われ、方除けの神、厄除けの神としても崇敬される氏神様です。
秋には五穀豊穣を感謝する祭りが行われ、子供みこしの渡御があるそうです。