海の世界史 (講談社現代新書)
冬休みに読んだ本です。
コロンブスもダ・ガマも所詮海賊、イサベラもエリザベスも所詮その女首領、宣教師もその手先で神の名でずいぶん悪事を働いている。。。というところは小気味いいが、ちょっと先走りの感じがします。でも歴史書ではなく読み物としては面白い、こういう本は時間をおかず一気に読んでしまわないとだめです。
似たような本でAmazon.co.jp: 馬の世界史 (講談社現代新書): 、これはメチャ面白いです。
とにかくもう西欧中心の歴史観は見直すべきです。
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☆連日のノーベル賞
連日のノーベル賞受賞は2002年の小柴さん田中さん以来です。
昨日の物理学賞は10年以上も前から候補に上がった研究でしたが、今日の化学賞はまったく知らないし内容もクラゲから緑のたんぱく質を発見とは何でしょう。下村さんの発見も40年前のことらしいが、まさかノーベル賞ものとは思っていなかったようですね。
基礎研究はすぐに役に立たないもので、どうしても評価に時間がかかります。アインシュタインの受賞は光電効果の研究(相対論ではない!)ですが、太陽電池、デジカメ、レーザーなど、実生活に応用されるまで80年もかかっています。何はともあれ、おめでたいことで、名古屋は盛り上がってるでしょう。
平和賞は話題になったことですぐに受賞ということが多いが、あんまりアテになりませんね。
☆祝ノーベル賞
先ほど【ノーベル物理学賞】素粒子物理学の基礎「標準理論」を築く 小林、益川両氏(産経新聞) – Yahoo!ニュースというニュースがありましたね。
物質は原子から、原子は素粒子から、素粒子はクォークからできていて、そのクォークは6種類あるということをこの人たちは35年前に予言したんです。6種類とはアップ、ダウン、トップ、ボトム、ストレンジ、チャームという変な名前がついていて1995年に6個とも発見された。根源物質の探求に終止符を打った(かな?)のですから、すごいものです。
これ以上は知りません、ハイ。あとは素粒子研究を目指したすばる☆さんにバトンタッチ。
☆読後感想文
昨日、オブ脳さんから下流大学が日本を滅ぼすという新書を借りて1日で読みました。こういう本は一気に読まないと。初めの2/3くらいは現在の日本の大学がいかに低落したか、さまざまな例が挙げられています。講演のまとめみたいで、もうシッチャカメッチャカです。終りの1/3弱は大学生の親の経済的負担が書かれていて、高校生大学生の子供を持つ世代にはもうたまらん、という感じ。
最後にちょっとだけ職業大学、オンライン大学について述べられていますが、もっと詳しい提案がほしい・・・たぶん続編がでるのでしょう.。
この著者にKCGのこと知らせてやりたいと思うような本です。
☆昔,地球は暑かった?寒かった?(8)
第1の波(四大文明)の発生は温暖期が終わり寒冷期に入るころ、まだ第2の波(産業革命)の始まりは小氷期の真っ只中でした。そしてトフラーが第3の波(IT革命)到来を予測したころは氷河期再来が話題になっていました。地球の気温変化の主原因はやはり太陽活動です。小氷期とは日本で言えばちょうど江戸時代に当たるころで、太陽黒点は非常に少なく、西欧では飢饉、疫病、経済恐慌が起こっています。
地球にはいつも大量の銀河宇宙線(それはわが銀河系内の超新星残骸から、また遥か数億光年彼方の活動銀河核から)が降り注いでいます。それは上層大気を凝結し氷の粒を作るので、対流圏には大量の雲が出来て、地球の気温の低下をもたらします。太陽風(太陽プラズマ)はこの宇宙線侵入を遮る作用をしていますが、太陽活動が低下し太陽風が減少すると、地球に降り注ぐ宇宙線の量が増加します。
ここでちょっと気になる天文ニュースがあります。太陽風、ここ50年間で最も弱く――寒冷期との関係は?(WIRED VISION) – Yahoo!ニュース 先月は太陽の表面上にほとんど黒点が出現しなかった、したがって、このまま太陽活動が不活発化し続けると、地球は氷河期に入ってゆく可能性が高いということです。
ところが現在の急速な温暖化は?
太陽の不活発分を補いさらに上回るだけのCO2が発生しているのでしょうか?
ここ十数年の温暖化は一時的なもので、地球史的にはマイナーな現象なのでしょうか?
答えは2050年になってみないとわからないので、このシリーズはこれで終わります。
☆昔,地球は暑かった?寒かった?(7)
数千年前に大河のほとりで四大文明が発生したのは温暖期が終るころ、私たちの先祖は農業・牧畜によって、食生活を安定させたといえるでしょう。これ第1の波です。また18世紀後半、西欧で産業革命が起こったのは小氷期のころ、これによってエネルギーが確保され、科学技術が進歩し今日の工業化都市文明が形成された、これ第2の波ですね。
ああ、トフラーのいう波は寒冷期にやってくる!ことに気がついた。人は寒冷期には知恵を絞って生き残りを図ってきたのです。おみずさんの言葉では「ピンチがチャンス」。しかし第1、第2の波の時には成功ばかりではありませんでした。その代わりに犠牲にされたのが森でした。
今第3の波の真っ只中ですが、全世界が温暖化に見舞われているのはどうなのか?実はトフラーが「第3の波」を執筆していた1970年代後半には、地球寒冷化、氷河期再来が話題になっていました。
☆失われた森
森と文明の物語―環境考古学は語る (ちくま新書)
実に面白い本で眼からうろこが落ちます。森が失われていった歴史が著者の専門である植物の花粉の研究から語られています。メソポタミアから中東一帯にはレバノン杉の森だったのが古代文明によって荒らされ、早くも砂漠と化してしまった。ヨーローッパは中世末から森が失せてしまった。開発という名の自然破壊・・・
この本2年位前に読んだけど、なくなってしまいました。昨夜積み重ねた本束の中から出てきて、読み直しています。新書なので1~2日で一気に読めますからゼヒお勧めです。
☆昔,地球は暑かった?寒かった?(6)
この豊かな温暖だった「金の時代」に、人類は農作を始め文明が成立したのではないという説が有力になっています。この時代にはそんなことは必要なかったのでしょう。ところがやがて温暖な日々はいつまでも続かず、徐々に寒冷期に向かいます。亜熱帯雨林は草原に砂漠に変わり、人々は大河の周りに集まってきました。そしてそこで植物を栽培し、動物を飼育すること、すなわち食料を自作する術を発明しました。そのために集団生活を営むようになり、リーダーを必要としました。リーダーとしては王 and/or 神です。これがいわゆる四大文明の発生で、約5000年前「金の時代」の終期です。
でもそのころはナイル、チグリスユーフラテス、インダス、黄河の周囲は今のような砂漠ではなく、まだ緑の草原が残っていました。それを荒地にしてしまったのは気候変化よりもむしろ「開発」です。前回のギリシア神話を続けますと。
ところが時はうつり「銀の時代」「銅の時代」「鉄の時代」となるにつれ,人間は互いに武器を持って,大地を取り合う醜い争いを繰り返すようになりました。これを見てうんざりした神々は次第に天へ引き上げてしまいました。
以下次項
☆昔、地球は暑かった?寒かった?(5)
中世温暖期の前のことはよくわかりませんでした。ギリシアローマの彫刻では裸や薄着が多いのはBC4世紀~1世紀には温暖だったのか?しかし古代中国の帝王たちはみんな厚着ですね。これだけではなんともいえないが。。。
確かなのは大幅に時代を遡って、6000年~8000年くらい前には世界中が温暖だったことです。それは地質学的にも考古学的にも言われていることで、海面は今より数メートル高かった。当時は枚方から先は海で、大阪は海の底です。シベリアにも北アフリカにも緑も森がありました。サハラの中央、タッシリの洞窟にはヤギやウシの壁画があります(宇宙人が描いたという説もあるが)。食料は豊富で人口は少なく、人々は安楽に暮らしていました。
その時代の記憶は聖書にはエデンの園として書かれてるし、ギリシア神話ではさらに詳しく書かれています。
かつてこの地上は,山には穀物や果物が実り,川にはミルクや酒が流れ,人間は農作しなくてもいつも満ち足りて,何不自由なく暮らしていました。また正義と信仰がいきわたり,権力を振り回す者もいなく,法律なんてものも不要でした。神々はこの世で人々と一緒に暮らしていました。このような平和で平等な時代は「金の時代」といわれています。
以下次項
☆読後感想文
自分は死なないと思っているヒトへ―知の毒 (だいわ文庫)
今日はこの本を読んでなかなか面白かった。本論とはややそれますが、自然特に森の破壊について数回述べられています。西ヨーロッパの平野は人工的に作られた、中世末~19世紀にかけて彼らは森を破壊し町を作ってきた。森には狼や魔女が住むオソロシイところ、それを子供に教えるための童話がヘンゼルとグレーテルであり赤ずきんちゃんであると。アメリカはもっとドライに自然破壊します。いわゆる西部開拓というスローガンのため中西部の森は荒地に変わり、野生動物は瀕死状態になった。メソポタミアや華北についてはまた別項で書きますが、今、砂漠やステップという痩せた土地もかつては緑豊かな森だった所が多い。
その点、日本では珍しく森が残っていますが、それは森に住むのがコワイ悪魔ではなく、となりのトトロだからなのです。 これはcastor説