Kawasaki  Z1000J(J3)

Kawasaki Z1000J 3

 カワサキ Z1000J(J3)

Z1000のマイナーチェンジ第三世代モデル。最終のZ1000Jである。インジェクションモデルも同時発売されたという。メーターが機械式になっている。
以後,カワサキのフラッグシップは,排気量は1100ccへと,そして過給はインジェクションへと変化していく。1983年から空前のバイクブームへと至る80年代中頃は,オートバイが空冷から水冷へと進化していった過渡期であった。

写真;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

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Kawasaki Z1100GP (B1)

Kawasaki Z1100GP

カワサキ Z1100GP(A1)

発売したとたん,世界中のマスコミから絶賛されたというカワサキフラッグシップ。インジェクションモデルである。
ヘッドライトの上の大きなメーターケースは,カウリングを兼ねていて,高速域でライダーを風圧から守る。

Z1000Jから始まった第二世代のカワサキ空冷フラッグシップは,この一台でまずは完成したといえる。当時二輪では珍しかったインジェクションを搭載した,使い勝手の良い大型バイクである。中古車市場ではあまり見かけないが,名車のひとつである。

こういうのを一台,大切に乗り続けるのも渋い選択だと思う。巷ではZ1やZ2,Z1000Rばかりが評価されるので,その他のマイナーなモデルは価値がないと信じられているような気配もあるが,その一台であろうと,現代の味気ないバイクには無い魅力が満載されている。それがカワサキ空冷であるというだけで,あらゆる現代のバイクを超える味わいがあるのだ。

写真提供;カワサキ

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Kawasaki Z1100GP(B2)

Kawasaki Z1100GP

カワサキZ1100GP

その次に出た一本サススイングアーム,空冷カワサキGPZ1100Fと紛らわしいのだが,似たような名前で登場したZ1100GP,そのマイナーチェンジ版である。最初期モデルの空力カウルが不評だったのか,スピードメーターを変更してZ1000Rと同じフロントカウルを装着している。
インジェクションモデルで,当時としては最新の技術を搭載した2本サス,J系エンジンの発展系にインジェクション,カワサキのフラッグシップであった。

中古車マーケットで人気がイマイチな理由はインジェクションであるということ以外には見当たらない。距離を走っている個体ならば,すでに劣化している古いコンピュータ制御のインジェクションシステムをキャブに換装するだけで,空冷カワサキの真骨頂を見せてくれるだろう。

サイドシルエットを見れば解るように,かのローソンレプリカのインジェクション仕様だと思っても良いだろう。こちらはエンジンが最初から1100ccなので,Z1000RのS1タイプのカスタムを造るベースにしても良いかもしれない。
もちろん,インジェクションをいじれる技術があれば,最新の軽自動車のシステムを搭載するなどすれば,使い勝手の良いバイクができあがる。
もちろんそのままでも,たった一台,生涯の伴侶として良い名車であることに疑いはない。

写真提供;カワサキ

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Kawasaki Z1000R/ KZ1000(R1)

Kawasaki Z1000R

カワサキZ1000R(R1)

1981年に登場した新時代のカワサキ空冷フラッグシップであるZ1000Jを基に製作されたレーサーを駆って,天才ライダー,エディ・ローソンがAMAでチャンピオンとなった。それを記念してZ1000J(J2)を基に製造されたZ1000R。
ワークスレーサーのレプリカで,通称,「ローソン・レプリカ」と呼ばれる。
同時期のカワサキのフラッグシップはインジェクション仕様のZ1100GPであった。それよりも高価な設定であったという。

また,純然たるサーキット用としては,Z1000S1があった。サーキット専用だということで,真のローソン・レプリカは,そのS1だという意見もあるが,公道用として市販されたZ1000Rもローソン・レプリカの名に恥じない名車中の名車である。

世界のオートバイの歴史の中で輝く名車の一台であろう。北米向けと南アフリカ向けを合わせて僅か1100台程度が生産されたに過ぎない。

カーカーのマフラーが神戸のカワサキ工場で取り付けられて出荷された。タンク上にはエディ・ローソンのサインの入ったステッカーが貼られている。「R」の3兄弟の中では,同じライムグリーンでも,青と白のラインの入り方が異なる。

写真提供;カワサキ

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Kawasaki Z1000R/ KZ1000(R2)

Kawasaki Z1000R 2

カワサキ Z1000R(R2)

1982年にエディ・ローソンのAMAでの連勝を記念して,ワークスレーサーのレプリカとして発売されたZ1000Rの後継機種,第二世代である。
1983年にはエディ・ローソンはカワサキからホンダへと移籍したので,エディ・ローソンの広告イメージが消され,Z1000Rは単にスーパーバイクレプリカと呼ばれた。
Z1000R1より多少ハイカム化されており,キャブも少し改良されたものが付いていた。マフラーは依然カーカーであるが,サイレンサーは少し小径で音が静かになっている。
欧州向けは2本出しのマフラーが装着される。また,欧州向けと北米向けではフレームディメンジョンのキャスター角が異なっている。カム,キャブなどでも,R1よりは多少改良が進んでいる。メーターはR1とは異なり,一体式のものとなって照明が少し地味になっている。

全部で9000台ほどが生産されたので,マーケットでの残存数も多い。空冷カワサキは初代の方がもてはやされ,マーケットプライスも高くなるのだが,よほどサーキットとエディ・ローソンに思い入れがある場合は除いて,空冷カワサキのレーサーレプリカと言うならば,R2がベストな選択だろう。基本はZ1000Jのエンジンなので,Z1100Rに比べると補修パーツも入手しやすく,メンテナンスも多少は楽である。
外装カラーは,北米向けはライムグリーンのみだが,欧州向けには赤白青のトリコロールがある。

写真提供;カワサキ

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kawasaki Z1000R, Z1100Rのカスタムについて

Z1100R

カワサキ空冷「R」三兄弟,すなわちZ1000R1,R2,そしてこのZ1100Rはいずれも素晴らしいが,筆者にとっては今のところ,最終完成版のZ1100Rがベストである。Z系に比べると車体が大柄なので,長距離も楽だ。そして,エンジンは空冷最強のGPZ1100Fのエンジン。これは異次元の空冷カワサキである。

Z1000Rの3兄弟は,ノーマルのままで十分現在の道路事情に適応する。ノーマルでカーカーマフラーの咆哮を聴くだけでも至上のバイクである。カスタムするとしても,せいぜいキャリパーとショック,キャブを交換するだけか,ホイールをすこし幅広にする程度で十分である。写真のような状態にまで仕上げるとなると,費用もかかるから,カスタムするならば慎重に進めたい。

カスタムバイクというものは,車体が止まっているその姿勢だけで,どの程度に仕上げられているかがある程度は解る。近寄って見ると,さらに技術レベルが見えてくるものだ。
Z1000R1をはじめとする「R」のカスタムバイクは,残念ながらあまり良いとは言えない改造が多い。Z系や他のJ系に比べると,そもそも生産台数が少ないから,ノウハウが確立されていないということなのだろうか。

Z1Z2がまだまだ改良の余地を残した初期バージョンであり,いわばマージンが多いのに対して,Z1000R,さらにはZ1100Rは,パイプフレーム,二本サス,空冷インラインフォアのいわば最終発展形であるから,ノーマルの状態で高次元でバランスしていると言える。
それをある意味崩すのがカスタムであるから,その高次元のバランスをさらに高める領域に達するのは至難の業なのであろう。
写真のBitoカスタムも,ほぼ極限までチューンされたエンジンとキャブや,前後のショックのバランスなどで,実に微妙に変化するので,Z2に比べるとセッティングには結構苦労した。

Rに限らず,J系全般に言えるのだが,エンジンがラバーマウントされているので,ドライブスプロケットの上部のエンジンマウントラバーがすぐに劣化することが弱点である。定期的にエンジンマウントラバーを交換することがJ系フレーム全般の要である。
ゴム・ラバーは紫外線で劣化するのである。J系の場合,エンジンマウントラバーがヘタったまま続けて乗っていると,強大なパワーでフレームが歪んでくることもある。対策は,①定期的にラバーを交換するか,②フレームに補強を施す,のいずれかである。
(どこかで経年劣化の少ないポリウレタンのマウントを生産してくれないかと思っている。イギリスのポリブッシュに何方か依頼して頂けないだろうか。)

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Kawasaki Z1100R/ KZ1100R

Kawasaki Z1100R

Kawasaki Z1100R

空冷カワサキ最強のエンジン,GPZ1100Fのエンジンをキャブ仕様にし,二本サスのフレームに搭載したZ1100R。エディ・ローソンのAMAスーパーバイクレースでの活躍を記念して発売されたZ1000R(R1)から,三機種が「R」を冠した空冷カワサキである。

エディ・ローソンのサインつきで市販されたZ1000R1は,Z1000Jのフレームを軽量化しエンジンを軽くチューンしたもので,翌年のR2になると,カムプロフィールがさらに変更され,北米向けと欧州・南アフリカ向けでキャスター角が異なるものがそれぞれ発売された。そして,Z1100Rになると前輪が18インチになり,フレームのディメンジョンもそれに合わせて変更された。そしてそのエンジンは空冷カワサキ至上最強のGPZ1100Fのエンジンである。
加えて,インジェクションではなくキャブ仕様であるから,空冷カワサキにライディングの感覚性能を求めるファンにとってはたまらない。Z1からのZ系エンジンなど他のカワサキ空冷に比べると,扱いに注意が必要になるが,GPZ1100Fエンジンは素晴らしい。しかも最初から前輪18インチで設計された1100Rの車体であるから,これ以上のものはないと思う。

Z1000R1のZ1000Jと同じメーターは,夜になると賑やかなイルミネーションで楽しい。Z1000R2とZ1100Rは一体型のメーターになり,照明もすこし地味である。しかし,それ以外は,後期になればなるほど改良されている。カムプロフィールも順次変わり,排気量も変わり,すべては進化していくのである。そして第三世代,最終進化形が,このZ1100Rである。水色とライムグリーンの二種類がある。

写真提供;カワサキ重工神戸広報担当部署

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Kawasaki Z11000/KZ1100 A2

Z1100(A2)

カワサキ Z1100/KZ1100 A2

Z1100のマイナーチェンジモデル。フロントショックはエア加圧,リアショックはエアサスでイコライザーが付いている。

この手の「オヤジバイク」は,アメリカでも同様,オヤジが買うから,あまり距離の伸びていない信じられないほど程度の良いのが廉価で売りに出ることが多い。長年ガレージで眠っていたという綺麗なままのものである。

空冷カワサキというとZ1やZ2ばかりに目が行くが,実際に使用するには,後期モデルの方が色々改良されているのは当然である。空冷エンジン末期のころのスタンダードモデルは実は賢い選択だと思う。ゴム製品のパーツはきちんと保管すると10年くらいは持つ。過剰品質のカワサキ,80年代の空冷モデルは大事に扱うと長持ちする。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

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Kawasaki Z11000/KZ1100 A1

Z1100(A1)

カワサキ Z1100/KZ1100 A1
1089cc
100ps/8000rpm
9.8kg-m/6500rpm

Z1000LTDの後継でエンジンが同時期のスポーツモデルであるZ1100GPと同じ。
シャフトドライブと前輪19インチ後輪16インチが特徴のスタンダード機種である。デザインはZ1100GPに比すると柔和な線で構成されている。

メンテナンスフリーが謳われたシャフトドライブであるが,今となってはホイールの交換ができないので,タイヤの選択がほとんどない。これがカスタム派には問題点なのだが,ホイール交換をしないというならば,逆に悩むこともなく気楽に乗れるかもしれない。この手のカワサキ空冷は,アメリカの中古車市場でも廉価で,eベイなどのネットオークションで数百ドルで売買されている。Z1の輸入業者に依頼してコンテナに積んでもらって,廉価にカワサキ空冷をゲットするというのは如何かな。決して悪い選択ではないと思う。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

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Kawasaki Z1000 SPECTRE / KZ1000 D2

Z1100SP(D2)

カワサキZ1から続く空冷インラインフォア,J系エンジン搭載のスペクター。第二世代のD2になってカラーリングが黒と金になる。AMAスーパーバイクなどで勝ち続けたエンジンが搭載されている。

オートバイはエンジンの特性がその個性を決定する。たとえアメリカンであっても,空冷カワサキは他に比較するものがない。とりあえず家庭に一台,というのなら,こういったアメリカン系があると使い勝手が良いのではないかな。

写真提供;カワサキ

参考;Z1・Z2の神話–誕生の真実 全記録–
2006年 スタジオタッククリエイティブ

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