2013年1月,2月とEテレで,マサチューセッツ工科大学(MIT)で物理学の基礎を教えるウォルター・ルーウィン教授の「MIT白熱教室」が放送されていました。
毎回,楽しみに見ていたのですが,その中で「空はなぜ青く夕焼けはなぜ赤いのか?」という放送がありました。
大気分子のように光の波長と比べ,直径が非常に小さい物質に光がぶつかったときの散乱をレイリー散乱といい,青い色の光が最も散乱されやすいため昼間の空は青いそうです。
また,空気中の塵などのように,光の波長とほぼ同じ大きさの物質に光がぶつかったときの散乱をミー散乱といい,雲はすべての色の光が散乱されるので白く見えるとのことでした。
興味深かったのは,夕日は厚い大気を通って届くので,レイリー散乱によって青い光は散乱し,見ている人に届くのは赤系の色が多くなり,さらには大気汚染がひどいほど夕日は美しくなるということでした。(レイリー散乱で赤い波長が多くなった光が,空気中の塵などでミー散乱されて人の目に届くと空が赤く見える)
そして今タイミングよく?大気汚染で話題沸騰の北京へ派遣講義に来ています。
さて,これが問題の大気汚染(PM2.5)の中で見る北京の夕日。
こちらの学生さん曰く,「先生,北京では,これ普通です。」とのこと。
美しい!太陽に吠えろ!ですよ。
感動のあまり,屋上に出て写真撮影(N95マスク着用!)をしていたのですが,さらにすごい事態を目撃しました。
太陽は地平線(建物)に到達する前(それもかなり前)にスモッグの中に沈んだのです。
よく見てください。夕日がスモッグに半分沈みかけて,さらに薄らいでいます。
これは夕日がスモッグに沈んだ直後。
本来ならば,まだ沈まない時刻です。
北京の大気汚染恐るべしですね。