一歩ずつ復興への道を歩む石巻 - ボランティアの記録 - その3

一歩ずつ復興への道を歩む石巻 -ボランティアの記録-
その1
その2
その3
その4

もえないゴミ

↑「もえないゴミ」の看板を作ってくれたスズちゃん。

情報の大切さ

今回,私が主に担当したのは,渡波小でのゴミ集積場所の整理でした。

私が初めて避難所となっている渡波小学校に行った際は,当初のゴミの集積量の予想を大きく超え,分別されていたごみの山が大きくなりすぎて,ビン・カン,ペットボトル,可燃物,ダンボールの山が合体してしまい1つの山になり,次第に分別も曖昧になり,ゴミが混ざりあってしまっていました。

徐々にゴミの収集は始まっていたのですが,これから気温が高くなるにつれて,衛生的な問題も発生しかねないと考え,集積所の整理を開始しました。

ゴミ集積所整理作業前

↑これが作業前のゴミの山

まず,ゴミ回収の情報を得ようと渡波小の近くにある支所を訪ねました。

しかし,ゴミ収集に関する情報は誰からも得られませんでした。

次に渡波小の避難所本部に聞いても,可燃物が月・木で回収に来るという情報は得たものの,その時点で未だ回収がなかったビン・カン,ダンボール,ペットボトル(ペットボトルは水曜日に回収された)の収集開始に関する情報は全く得られませんでした。

青年海外協力隊OVの方がショベルなどの重機を携えてボランティアに参加していただいたので,ダンボールの山の移動とゴミ集積所の近くにあった使えなくなった机などの移動,そして津波で流され動かくなった自動車の移動をお願いしました。

これは,避難所の本部(市役所の職員1名と臨時職員1名,他の自治体からの応援職員数名から構成)にこの話を届けてから実行したのですが,作業中,自動車の撤去を担当する市の職員が血相を変えてやってきて,車の撤去は所有者とのトラブルを避けるために許可を持った業者が行うので作業を中止してほしいと言ってきたのです。

その許可を持った業者はその日にやってきて作業するとのこと。同じ石巻市の職員でありながら,その車撤去の情報は避難所の本部の職員には伝わっていなかったのです。

重機部隊による瓦礫の整理

↑じゃんじゃん片付けてくれる重機の力はすごい!

こういった非常時には情報がいかに大切かということを思い知らされることは,この他にも多々ありました。

まず,炊き出しの情報です。

渡波小学校の炊き出しは毎日行っているのですが,近くの渡波駅や支所などでも,単発的な炊き出しが行われていました。

芸能人などが行う炊き出しはニュースにもなるので,意外とどこで炊き出しが行われるといった情報が伝わるのですが,そのほかの炊き出しの情報は,被災者自身が歩いて,見聞きしないと伝わりません。

せっかくの炊き出しを行ったのにもかかわらず,人が集まらなかったり,突発的な炊き出しにより,渡波小のような定期的な炊き出しが余ってしまう事態にもなってしまいます。

また,義援金に関しても35万円という金額が独り歩きして,一人当たりなのか,一戸当たりなのかというのを,炊き出しをもらいに来た,お母さんたち3人が議論していました。

義援金の第1次分配に関しては,石巻市のWebサイトなどを見ればすぐにわかるのですが,インターネットを含めた情報インフラが災害時には機能しないため「人的被害…死亡者,行方不明者1人につき35万円。住家被害…全壊,全焼の住家1戸につき35万円・大規模半壊,半壊,半焼の住家1戸につき18万円」といった大切な情報さえも被災者に伝わらないという事態に陥ってしまうのです。

このようなことから,災害時の情報伝達を改めて見直す必要を感じました。

ゴミ集積所整理作業後

↑これがゴミ集積場所の整理後。違いが分かってもらえたら嬉しい。

つづく

一歩ずつ復興への道を歩む石巻 -ボランティアの記録-
その1
その2
その3
その4

comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*